本体のDCジャック部分を水ぬれなどから守るカバーについても改善した。一般的なゴム製のフタを開閉するタイプの場合、繰り返しの開け閉めで破損したり(ちぎれたり)、実用面で邪魔に感じたりすることがある。これに対し、タフブックシリーズでは長期間使用しても壊れにくいスライド方式のカバーを採用している。
「防水性能とユーザビリティを両立させるべくスライド方式を採用したが、スライド機構で防水性を確保するというのは設計の難易度が高く、組み立ての精度も必要になる。特に組み立て精度に関しては、スライドしてフタを閉めた状態でライトの光を当てて光が漏れていないか(隙間が空いていないか)どうかを検査するなど、工場側と連携して防水性能をしっかりと確保している」(同社)
タフブックシリーズでは、本体内部への水の侵入や水ぬれ故障を防ぐために、ケース部の内側にある溝に、耐水/耐熱/経年劣化に対応したシリコンによるシーリング処理を施している。シリコンの塗布に関しては、長年の経験やノウハウなどをベースに、ロボットによる処理を実現しており、急カーブや高低差のある複雑な形状でも一定の厚さでシリコンを塗布できるという。
「均一な厚さでシリコンを塗布し、ケースを嵌合した際にきちんと密閉されて防水性が担保されている必要がある。特に、FZ-G2のようなタブレット端末になると限られたスペースに機能を詰め込んでいるので、構造的に急カーブも多く、かなり複雑な形状になっているが、しっかりと均一の厚みでシリコンを塗布できるようにコントロールしている」(同社)
同社では、多様かつ過酷な使用環境を想定した独自試験を実施しており、故障なく安心して長期間利用できる製品づくりを目指している。例えば、真夏の自動車内を想定した高温環境下で、一定期間保管した後に、雨の日を想定した試験を実施し、きちんと防水性能が保たれているかどうかを独自試験で確認しているという。
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