ジョブ型インターンシップでは、日立社内でのJDを基にインターンシップ用のJDを明示して、ジョブの内容や必要な専門性/スキルを明示するとともに、学生のキャリア志向を深掘りするため社員との1on1コミュニケーションを重視している。2022年卒学生が対象となる2020年に一部部門への試行導入という形で開始しており、このときの実施人数は130人だった。それから4年が経過した、2025年卒学生が対象の2023年は6倍の800人まで拡大している。また、ジョブ型インターンシップ経験者の採用数も2022年卒学生の40人から、2024年卒学生で140人まで増加している(現時点では内々定)。
ジョブ型インターンシップで実施するテーマ(ジョブの内容)も現在では400以上にまで増えており、日立社内の各部署における認知も高まりつつある。大河原氏は「ジョブ型インターンシップの導入で最も苦労したのが、インターンシップを受け入れる職場のマインドを変えていくことだ。自身が入社したことからリクルーティングの環境が大きく変わったことを理解してもらうために何度も働きかけた。今では協力も得られており、日立のジョブ型インターンシップは軌道に乗ってきたといえるだろう」と述べている。
会見には、日立のジョブ型インターンシップを経験した上で、入社が内々定している2024年卒学生の照井雪乃さんも参加した。お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科 理学専攻 情報科学コースの修士課程2年目で、研究テーマは量子アニーリングマシンやイジングマシンを活用した機械学習、社会課題解決となっている。
インターンシップの期間は3週間で、修士課程1年時の2022年8〜9月に参加。部署は、研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部 サービスシステムイノベーションセンタで、テーマは「電力システムの運用効率化システムの技術開発」だった。内々定を得ている日立での配属先も、インターンシップを行ったサービスシステムイノベーションセンタで決まっている。照井さんは「もともと環境問題に興味があり、それと関連があると考えてこのテーマでのインターンシップに参加した。テーマの課題解決に主体性が求められるとともに、3週間でやるにはかなりハードだったが、しっかりサポートもしてもらえたし、チャレンジできたことは良かった」と述べている。
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