物流拠点の役割が多様化する中、最新の施設ではどのような動きがあるのだろうか。物流施設の開発や運営を行う日本GLPの「GLP ALFALINK流山」施設見学会の様子を紹介する。
物流施設の開発や運営を行う日本GLPは2023年7月4日、地域共生をコンセプトとする物流ブランド「ALFALINK」の第2弾として展開してきた「GLP ALFALINK 流山」(千葉県流山市)において、「GLP ALFALINK流山4」が完成し「GLP ALFALINK流山」全8棟が、総延べ床面積93万1200m2で完成したことを発表した。本稿ではこの完成に当たって開催された施設見学会の様子を紹介する。
日本GLPは物流不動産や関連テクノロジーに特化した不動産デベロッパーで、物流施設の開発と賃貸などを行っている。日本全国で170棟、約1100万m2の物流施設の開発と運営に携わっている。その中で物流施設開発の新ブランドとして展開しているのが「ALFALINK」だ。「ALFALINK」は、「Open Hub」「Integrated Chain」「Shared Solution」の3つをコンセプトとし、「創造連鎖する物流プラットフォーム」を目指している。具体的には、物流施設を基軸としたビジネス共創と地域共生を促進している点が特徴だ。
その「ALFALINK」ブランドの第2弾拠点となったのが「GLP ALFALINK 流山」だ。「GLP ALFALINK 流山」は2018年2月に「GLP ALFALINK流山2」が完成した後、5年かけて拡充を進め今回「GLP ALFALINK流山4」の完成により予定していた8棟全てがオープンしたということになる。総投資額は1800億円以上だという。
日本GLP 代表取締役社長の帖佐義之氏は「従来の物流施設は安全性と機密性の観点から物々しい施設で地域からは敬遠されるところもあった。ALFALINKはそうした物流施設とは真逆となる地域と共生することを目指したもので、最初は受け入れられるかどうかは心配だった。しかし、8年前に流山の地でオープンし、ことのほか喜んでもらえた。地域交流イベントも100回以上やっており地域と良い関係を築けている」と述べている。
新たに完成した「GLP ALFALINK流山4」は、全棟の中でも特にウェルネスの増進に力を入れており、地域住民でも利用できるレストランをはじめ、各階リフレッシュエリアや、バスケットボールやフットサルなどが楽しめるアリーナ、屋上庭園などを用意している。
また、完成前から満床状態でのオープンとなっており、1階と2階には西濃運輸が入居し、ターミナルと保管庫として利用。構内に配送拠点があるため、入居カスタマーの出荷や集荷の効率も大幅に向上させている。他にもジャパネットホールディングス、全日本食品を含む合計8社の入居が決定している。冷凍冷蔵対応、給排水換気対応、自動化対応など、食品やECをはじめとする多種多様な業種のニーズに柔軟に対応可能なスペックをあらかじめ導入済みだという。
帖佐氏は「GLP ALFALINK 流山は当初の3棟から8棟まで計画を拡大して進めることができた。それは、物流のためだけの施設ではなくさまざまな用途で使用されているからだ。サプライチェーンの統合が進み物流施設にさまざまな機能を統合させることが求められている。工場機能なども持たせていくようになる。用途規制などがあり簡単ではないが、許認可の取り方も分かってきた。こうした動きをもっと広げていきたい」と語っている。
GLP ALFALINK流山を物流拠点としてだけではなく、さまざまな形で活用している例が、Peace Deli(ピースデリ)とアンテポストである。次ページでは2社の取り組みを紹介する。
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