そんなVision Proだが、果たして製造業でどのような活用が考えられるのか。そもそも業務に役立つのかを紹介したい。
基本的には、既存の製造業向けAR(拡張現実)/VRソリューションがそうであるように、Vision Proを用い、例えば3D CADデータを空中で展開して、製品の構造を細かく検証するような使い方をしたいならば、Vision Pro対応のアプリの登場を待つ必要がある。
実は既にVision Pro対応の製造業向けアプリの開発が進められている。WWDC23におけるVision Proの講演では、次の2つのアプリが紹介された。
1つは、3Dオブジェクトを基に3Dプレゼンテーションを作成するアプリ「JigSpace」だ。講演の中で「Alfa Romeo F1 Team Stake」とのコラボレーションで実現したF1マシンのエアフロー(空気の流れ)シミュレーションの結果をアニメーション表示している様子が紹介された。
もう1は、PTCのARソリューション(おそらく「Vuforia」のことだろう)を活用したものだ。講演では、製造装置の動作をインタラクティブな3Dコンテンツで再現し、装置の動きの確認や作業性の検証などに活用できる点などが紹介された。
ちなみに、製造業に限定したものではないが、Microsoftがオフィスツールの「Word」「Excel」、ビデオ会議の「Teams」のVision Pro対応を表明しており、今後さらに多くの商用アプリがVision Pro対応することが期待される。
なお、これらのアプリの試用は筆者が行った30分間の体験には組み込まれていなかったので実際の出来栄えについては評価できない
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