日本製鉄は、九州製鉄所八幡地区と瀬戸内製鉄所広畑地区における電炉化に向け、本格検討を開始する。高炉プロセスからCO2削減効果の高い電炉プロセスへ転換し、高級鋼のカーボンニュートラル化を目指す。
日本製鉄は2023年5月10日、九州製鉄所八幡地区(福岡県北九州市)と瀬戸内製鉄所広畑地区(兵庫県姫路市)の電炉化に向け、本格検討に入ったことを発表した。高炉プロセスからCO2削減効果の高い電炉プロセスへ転換し、高級鋼のカーボンニュートラル化を目指す。
同社は、2050年のカーボンニュートラルに向けて、2021年に「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を発表。2030年のCO2排出量の30%削減、2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げ、「高炉水素還元」「水素による還元鉄製造」「大型電炉での高級鋼製造」という3つの技術開発と実機化を進めている。
特にCO2排出量の削減については、高炉プロセスから電炉プロセスへの早期転換が必要と考え、九州製鉄所八幡地区と瀬戸内製鉄所広畑地区を候補地として本格検討を開始した。2030年までに両地区での電炉への転換や拡大を図る。
なお、大型電炉での高級鋼製造については、2022年10月より瀬戸内製鉄所広畑地区に新設した電炉で商業運転を開始。電炉一貫でのハイグレード電磁鋼板の製造や供給に対応している。2024年度には、茨城県神栖市の技術開発本部波崎研究開発センターに10t規模の小型電気炉を設置し、試験を開始する予定だ。
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