量産化にあたって2.5mmという薄さや試作段階の性能の維持などを掲げたが、折からの電子部品の不足に直面。「小型化したくても小さくて薄い部品がほぼ市場から消え去っていた」(中野氏)。グレードを落とすことで小さい部品を調達したが、透明な対象物の計測ができないなど、必要な能力に達しない事態に陥ったという。
そこで、AIはデジタル回路を優先したAIモデルへと変更した。従来は演算するコンピュータのマシンパワーに任せてリッチな計算をしていたが、組み込み用に合わせて、よりローコストな演算に置き換えた。また、リソースをギリギリまで使って演算速度を最大化させるため、各演算工程の処理時間を洗い出し、それぞれの工程で最適化を図ったという。推論動作時のRAMの消費量は一桁小さくなり、専用のCPUを用いなくても実行可能なAIへと仕上がった。キャリブレーションも機械学習用の専用ハードウェアを構築し、量産時のスループットを大幅に改善した。
産業用ロボットと協働ロボット両方の使用を想定する。「日用品くらいのサイズを扱う際の仕分けや物の組み立てなどの用途で引き合いをいただいている。注文を受けてから作る形になるかと思うが、引き合いの量に応じて生産量を見直していきたい」(中野氏)。
測定内容 | 距離、ピッチ軸/ヨー軸角度 |
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測定距離 | 1.5〜20mm(分解能0.1mm) |
測角範囲 | −20〜+20度(分解能0.5度) |
センサー基板サイズ | 55×15×2.5mm |
AI基板サイズ | 55×60×14mm |
通信方式 | RS-422 |
使用周囲温度 | 0〜40℃(結露なきこと) |
電源電圧 | 5V |
最大応答速度 | 約5ms |
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