オムロンは2023年3月期(2022年度)の業績を発表。2期連続の増収増益となり過去最高業績を更新した。
オムロンは2023年4月26日、東京都内およびオンラインで記者会見を開き、2023年3月期(2022年度)の業績を発表した。売上高は前年比14.8%増の8761億円、営業利益は同12.7%増の1007億円で2期連続の増収増益となり過去最高業績を更新した。
セグメント別では制御機器事業の売上高が前年度比16.2%増の4857億円、営業利益は同12.6%増の858億円だった。中国・上海でのロックダウンの大きく受けたが、その後は高水準の受注残の解消に向けて供給強化に取り組んだ。
社会システム事業の売上高は同22.3%増の1073億円、営業利益は同15.1%増の75億円だった。再生可能エネルギーへの投資拡大を的確に捉えた他、鉄道事業も投資再開の需要を着実に獲得し、大幅な増収となった。
電子部品事業の売上高は同14.8%増の1389億円、営業利益は同53.7%増の155億円だった。生産構造改革の成果が出て、収益体質の強化に結び付いた。
ヘルスケア事業の売上高は同7.0%増の1421億円、営業利益は同13.6%減の160億円だった。中国での新型コロナウイルスの感染拡大や、グローバルでのインフレの影響を受けながら着実に増収した一方、血圧計の構成比率の低下と成長への投資を継続した結果、営業利益は減少した。
2023年度の事業環境については、グローバル経済の停滞により上期を中心に不透明な景況感が継続するとしながらも、業界ごとに濃淡はあっても下期にかけて回復すると見込んだ。オムロン 執行役員社長 CEOの辻永順太氏は「カーボンニュートラルの実現やデジタル化社会の実現、健康寿命の延伸というわれわれが定めた3つの社会的課題にひも付く需要は引き続き拡大する見通しであり、各セグメントにおいてこれらの事業機会を捉えている」と語る。
2023年度の経営方針には「トランスフォーメーションの大加速」を掲げた。辻永氏は「われわれは社会構造の変化から生じる骨太な事業機会を既につかんでいる。この事業機会を今期そして中長期的な売り上げ拡大につなげていくため、営業のリソースシフトによる顧客接点の拡大、新たなソリューションの創造、人材開発の強化など自走的成長力の強化に向けたアクションプランを完遂し、トランスフォーメーションを大加速させる」と意気込む。
その上で、2023年度の計画は売上高が前年度比1.6%増の8900億円、営業利益が同1.3%増の1020億円で共に過去最高業績の更新を目指すと発表した。
「制御機器事業は高い水準にとどまる受注残の正常化を進めると共にソリューションビジネスの拡大を通じて過去最高業績の更新を目指す。ヘルスケア事業は中国の血圧計需要やインドなどの新興国市場における需要を取り込み、グローバルでのシェア拡大を進める。社会システム事業は引き続き堅調なエネルギー領域の事業機会を獲得するとともに、鉄道業界の投資再開の動きを捉え、確実に売り上げにつなげていく。電子部品事業でも投資が活発な電子機器領域など注力業界を中心に顧客数を拡大させる」(辻永氏)
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