本連載は、品質管理の枠組みであるトヨタ式TQMと、製造現場での活用が期待されるIoT技術を組み合わせた、DX時代の品質保証強化を狙いとしている。第7回は、品質管理のための解析手法をどうすればデジタル化できるかについて紹介する。
本連載は、品質管理の枠組みであるトヨタ式TQM(Total Quality Management)と、製造現場での活用が期待されるIoT(モノのインターネット)技術を組み合わせた、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の品質保証強化をテーマとしています。
今回は、IoTやビッグデータ解析の技術を用いた、品質管理における解析手法のデジタル化のポイントについて取り上げます。
⇒連載「トヨタ式TQM×IoTによる品質保証強化」バックナンバー
IoTを活用することで、各工程の情報をデジタルデータとして収集/蓄積ができるようになりました。これらの情報をビッグデータとして解析するためのポイントは以下の通りです。
ここからは、それぞれのポイントについて具体的に解説していきます。
連載第3回でも触れましたが、TQMでは品質管理の目的を達成するために「QC7つ道具」を使用します。
QC7つ道具は以下の7つから構成されます。
IoT活用によって工程から収集したビッグデータに対して、QC7つ道具を適用することで解析ができます。
QC7つ道具のデジタル化について示した図1を見てください。基本的な流れとしてはまず、「加工工程」で加工した物を「工程検査」で合否判定します。その後、最終的な「組立工程」で組み立てた製品を「製品検査」で合否判定します。各工程の製造条件や工程検査の結果および製品検査の結果をビッグデータとしてIoTで収集します。収集したビッグデータをグラフやデータの表示機能を使用して多角的に解析するのです(図2)。
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