ビッグデータ解析を行うには、5年程度の過去データを含めた全データをサーバに格納しておく必要があります。ただし、全データから必要なデータを取り出すために検索したりするとかなりの時間を要しますので実用に耐えません。そのために「定型解析」と「非定型解析」に分けた運用をする必要があります(図5)。
直近のデータを用いた定型グラフを見て、傾向分析や異常発生時の要因解析を実施します。その際には当日のデータや直近1カ月分のデータを使用することで、検索時間を短縮します。定型グラフは「2.QC7つ道具のデジタル化」で取り上げたグラフを使用します。
過去データと比較したい場合には、必要な過去データを都度取り込んで分析します。サーバの全データから、品目や不具合内容などの条件で絞り込んで対象となるデータを抽出し、分析したいデータと比較することで要因特定の迅速化につなげます。
要因特定を迅速に行うには多角解析の際に以下に挙げる観点で分析します。
ビッグデータ解析は、膨大なデータの中からグラフ表示を切り替えたり広い範囲から絞り込んでいったりという作業を直観的に行えるので、不具合発生の予兆を発見して対処することにより、不具合発生の防止や不具合発生の際の要因特定の迅速化を図れます。そのためにも、ここまで挙げたポイントを押さえることで高度な品質管理が可能になります。
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株式会社アムイ 代表取締役
山田 浩貢(やまだ ひろつぐ)
NTTデータ東海にて1990年代前半より製造業における生産管理パッケージシステムの企画開発・ユーザー適用および大手自動車部品メーカーを中心とした生産系業務改革、
原価企画・原価管理システム構築のプロジェクトマネージメントに従事。2013年に株式会社アムイを設立し大手から中堅中小製造業の業務改革、業務改善に伴うIT推進コンサルティングを手掛けている。「現場目線でのものづくり強化と経営効率向上にITを生かす」活動を展開中。
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