レゾナックは、半導体のパッケージング工程で使用する接着フィルム「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」の生産能力を約1.6倍に増強し、世界的な需要拡大に対応する。投資額は52億円で、2026年の稼働開始を予定している。
レゾナックは2023年4月4日、五井事業所(茨城県神栖市)で、半導体のパッケージング工程で使用する接着フィルム「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」の生産能力を約1.6倍に増強すると発表した。投資額は52億円で、2026年の稼働開始を予定している。
ダイボンディングフィルムは、半導体チップを積層する際に不可欠な超薄型フィルム状接着剤で、同社が世界一のシェアを有する。同社のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、ウエハーから半導体チップを切り出す際に使われるダイシングテープの機能も持ち、ウエハー裏面にフィルムを一度で貼り付けられるため、製造工程の短縮が可能となる。同社は、同一体型フィルムへの顧客ニーズが高いことと、ダイボンディングフィルム市場の成長を踏まえて、今回の増強投資を決定した。
世界のデータ量は継続的に増加しており、膨大なデータを蓄積し、処理するメモリ半導体の需要拡大が予想されている。それに伴い、半導体チップの積層に用いるダイボンディングフィルムの需要拡大も見込まれている。
同社はこれまで、同一体型フィルムを五井事業所で製造してきたが、2021年から中国のグループ会社SD Materials(Nantong)でも生産を開始し、2拠点体制としている。同社グループは半導体材料をコア成長事業に位置付けており、今回の増強投資により、半導体の需要拡大および安定供給に貢献していく。
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