スターターのボルトに経年で緩み、「シエンタ」など23万台リコール:製造マネジメントニュース
トヨタ自動車は始動装置に不具合があるとして国土交通省にリコールを届け出た。
トヨタ自動車は2023年4月6日、始動装置(スターター)に不具合があるとして国土交通省にリコールを届け出た。
スターターのスルーボルトの締め付け指示が不適切なため、経年でボルトが緩み、構成部品の位置がずれてスターターの出力が不足することがある。そのまま使用を続けるとエンジンが始動不能となる。その状態で始動操作を繰り返すとスターターが過熱し、最悪の場合は火災に至るおそれがあるという。既に火災が2件発生した。
改善措置として全車両のスターターを点検し、スルーボルトの緩みがない場合は増し締めを行う。スルーボルトが緩んでいる場合はスターターを対策品に、スターターリレーを新品に交換する。構成部品の位置ずれがある場合は電気配線も新品に交換する。
対象となるのは2015年2月17日〜2017年8月31日に生産された「シエンタ」「ポルテ/スペイド」「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」の計5型式で、台数は23万4787台に上る。
改善箇所[クリックで拡大] 出所:国土交通省
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