東京都立大学は、炭素−酸素結合を炭素−ケイ素結合に直接変換し、効率よく有機ケイ素化合物を合成する触媒反応技術を開発した。木質バイオマス由来化合物のみならず、ポリエステルにも変換できるため、廃プラスチック資源化への応用が期待される。
東京都立大学は2023年2月21日、炭素−酸素結合(C-O結合)を炭素−ケイ素結合(C-Si結合)に直接変換し、効率よく有機ケイ素化合物を合成する触媒反応技術を開発したと発表した。
同技術では、セラミックスの1種である酸化ジルコニウムに、直径約3nmの金ナノ粒子を担持した担持金ナノ粒子触媒と、ケイ素源のジシランを用いて、エステルやエーテル中のC-O結合をC-Si結合へと変換する。エステル、エーテル、ジシランの組み合わせによって得られる有機ケイ素化合物は、多岐にわたり、有機無機ハイブリッド材料や医薬品などの原料として利用できる。
反応後の担持金ナノ粒子触媒は、ろ過などにより、生成物に混入することなく回収可能だ。また、化学的に安定しているため、繰り返し使用でき、製造コストの削減に寄与する。
さらに同技術は、再生可能な炭素資源である木質バイオマス由来化合物に加え、これまで炭素資源として利用されていなかったポリエステル中のC-O結合も、中性条件下で変換可能だ。多量の酸や塩基を使用せずにポリエステルを分解し、有用化成品を製造できるため、廃プラスチックの資源化への応用が期待される。
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