PLMとBOMの基礎知識(2):PLMの進化の歴史を振り返ろうDX時代のPLM/BOM導入(11)(2/3 ページ)

» 2023年03月08日 08時00分 公開

2010年以降、何がPLMに求められてきたか

出荷した製品構成とは、前回も登場した保守BOMのことですね。サービスBOMやS-BOMと呼ばれることもあります。ところで音更さん、以下のような図を見たことがありますか?


PLMの概念[クリックして拡大]

あります!これはMONOistで連載されている「DX時代のPLM/BOM導入」の第1回で登場した図ですね!


その通りです。PLMは製品ライフサイクル管理と訳され、文字通り、製品の企画段階から保守段階まで一貫して技術情報を管理し、製品価値を最大化する経営手法です。それを支援するのが、PLMシステムの機能群です。機能の概要と利用部門や機能の変化点を以下の表にまとめました。


PLMの主要機能[クリックして拡大]

ありがとうございます。PLMシステムの機能名称に対して、それぞれの機能概要や主に利用する部門、最近の変化傾向がまとめられていますね。でも、変化傾向はなぜ「2010年以降」に設定してあるのでしょうか?


2010年以前のPLMシステムは設計部門が作成する技術情報を管理することが主な役割でした。そのため、PDMシステムと呼ばれることがまだ多くあったのです。


当時から利用されていた機能は、表中の◎で表現しています。ドキュメント管理、部品管理、構成管理(BOM管理)、設計変更管理、関連システムI/F(インタフェース)などですね。ただ、あくまでこの表は一般的な動向なので、業種や企業によって導入時期が前後しているケースも多々あります。そこはご容赦ください。


当社のPDMシステムはまさに◎の状態です。とすると、〇は2010年以降に導入された機能ということですね。各企業はPDMシステムの機能や利用範囲を拡張する形でPLMシステムに進化させていった、という理解で合ってますか?


そうですね。進化のパターンはいくつかあります。(1)既存システムに機能を追加して利用範囲を拡大したケース、(2)既存のPDMシステムを新しいPLMシステムにリプレースしたケース、(3)構想企画の後、初めてPLMシステムを導入したケース、の3パターンに大別されるでしょう。


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