三菱電機はFA機器事業の新製品をユーザーに紹介する「FAプライベートフェア2023」を初めて開催した。
三菱電機は2023年3月1日、FA機器事業の新製品をユーザーに紹介する「FAプライベートフェア2023」を名古屋製作所(愛知県名古屋市)で開催した。同社のFA機器分野のプライベート展示会は初めて。「デジタライゼーションによる、ものづくりの今と未来」をテーマとし、205人が来場した。
三菱電機 名古屋製作所 所長の都築貴之氏はFAプライベートフェア2023を開催した理由について、「コロナ禍ではユーザーとのコミュニケーションが取りづらかった。ユーザーと密にコミュニケーションを取り、提供する価値の向上を図るため初めてプライベートフェアを開催することにした。ユーザーのニーズをしっかりと聞き、製品開発などに役立てていきたい」と語る。
同社では2022年度のFAシステム事業の売上高を過去最高の8700億円と見込む。EV(電気自動車)やリチウムイオンバッテリーなどの脱炭素関連業種を中心に需要が堅調に推移した。都築氏は「シーケンサーやサーボシステムなどのFA製品に加えて、先端デジタル技術開発も行い、製造現場の課題解決を通して事業を拡大していきたい」と意気込む。
会場となったFAソリューションセンターの1階では、マスカスタマイゼーションに対応したワイヤレスマウスの製造ラインのデモンストレーションを披露した。好みに応じて選択した色やパッケージデザイン、刻印に沿って組み立てるラインが組まれており、基板の組み立てから、カバーの組み立て、ねじ締め、部品の組み付け、刻印、検査までを全てロボットで行う。ロボットは台車の上に置かれており、ライン変更などにも柔軟に対応できる設定だ。
また、組み立てラインの後ろでは、AMR(自律搬送ロボット)に搭載された協働ロボットが、棚に並んだ部品を取り出し、パレットに配置して組み立てラインに供給、マウスの完成後には排出されたパレットを回収する動きも見せていた。AMRには死角が生じないように上部に4つ、左右の側面に2つずつの計8つのカメラを付けており、動作範囲に作業者が入ってきた場合、事前の設定に沿って経路を最適化し、作業者を避けるように作業を継続したり、動作範囲から作業者がいなくなるまで動作を止めたりすることができる。
マウスに対するオーダーのトレンドや組立ラインの稼働状況などは三菱電機のSCADAソフトウェア「GENESIS64」によって上部の画面に表示していた。
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