日本3Dプリンターは「TCT Japan 2023」に出展し、LuxCreoのLEAPテクノロジー搭載3Dプリンタ「Lux 3Li+」と造形サンプルを展示。造形速度と強度を両立できる優位性をアピールした。
日本3Dプリンターは、3Dプリンティング/AM(アディティブマニュファクチャリング)技術の総合展示会「TCT Japan 2023」(会期:2023年2月1〜3日/会場:東京ビッグサイト)において、LuxCreoの3Dプリンタ「Lux 3Li+」および純正材料を活用した造形サンプルなどを展示した。
LuxCreoは中国の3Dプリンタメーカーで、同社独自のLEAPテクノロジーによる超高速造形を特長とする。LEAPテクノロジーは、DLPを用いた吊り下げ型の光造形方式3Dプリンタに用いられているFEPフィルムよりも、フィルムと造形物との間に発生する剥離抵抗が小さいLEAPフィルムを採用することで、造形トラブルのリスクを低減した高速かつ高精度な造形を実現する。例えば、シューズのインソール1足分のモデルであれば、約90分で造形することが可能だという。
また、LEAPテクノロジーは機械的特性に優れた材料を使用でき、紫外線硬化に加え、熱硬化剤を添加した高粘性材料などに対応し、造形後の二次硬化によって高強度なパーツを造形することもできる。「LEAPテクノロジーによって、造形スピードと強度を両立させた多品種少量生産、マスカスタマイゼーションが可能となる」(説明員)。
日本3Dプリンターのブースでは、LEAPテクノロジーを搭載した3DプリンタとしてLux 3Li+を展示していた。Lux 3Li+の最大造形サイズは400×259×380mmで、解像度は2560×1600ppi、造形スピードは1時間当たり40mm(二液硬化性高分子樹脂材料「EM+23」使用時)となっている。本体サイズは850×780×1870mmで、重量は400kg。
さらに展示ブースでは、EM+23の他、高靭性樹脂「TM79s」、耐高温樹脂「HT32」など、LuxCreo製の各種樹脂材料を用いた造形サンプルの他、LuxCreoのLEAPテクノロジーと、アシックスのパラメトリックデザイン手法によって実現したアフターパフォーマンスサンダル「ACTIBREEZE 3D SANDAL」も展示していた。ACTIBREEZE 3D SANDALは先進的な格子構造が特長で、通気性と柔らかさを実現するとともに、部位に応じて硬さを変えるなど、足の負担軽減を図る機能性も備えている。
ちなみに、二液硬化性高分子樹脂材料のEM+23は、曲げや引っ張りを伴う機能部品の造形に最適な材料で、シューズのミッドソールや自動車の内装、産業用の緩衝、ばね構造の製作に適しているという。
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