パナソニック オートモーティブシステムズは、グローバルの全拠点でCO2排出実質ゼロを達成した。
パナソニック オートモーティブシステムズは2023年1月27日、グローバルの全拠点でCO2排出実質ゼロを達成したと発表した。同社としてはこれまで年間9万トンのCO2を排出していた。パナソニックグループとしては2030年にスコープ1と2のCO2排出を実質ゼロにすることを目指しており、グループの事業会社としては最初に目標を達成した。
今回、省エネルギー化の取り組みと再生可能エネルギーの導入によって実現したが、今後も現場を中心に省エネルギー化を推進し、エネルギー総使用量を前年比3%減に減らす取り組みを毎年継続する。
省エネ活動で生み出したリソースは再生可能エネルギーの導入費用などに分配するとともに、2030年には外部調達の再生可能エネルギーへの依存率を、足元の90%から50%まで減らす。従来の取り組みに加えて、グローバルで現在100件以上の省エネのテーマを抽出し、推進している。
パナソニック オートモーティブシステムズの代表取締役 社長執行役員である永易正吏氏は「現時点では受注の条件には含まれていないが、CO2排出削減については自動車メーカーからも具体的な要請が出ている。社内だけでなく社外からも求められており、年々厳しくなっていく。また、CO2の排出削減は長い道のりになるからこそ、早く始める必要があった。全員で知恵を出し合うことも重要だ。これだけ取り組めることが、競争力の源泉でもあることを取引先に対しても宣言したかった」と今回の発表の狙いについて説明している。
パナソニック オートモーティブシステムズは国内に6拠点(横浜2拠点、白河、松本、敦賀、草津)、海外に8拠点(中国2拠点、タイ、マレーシア、チェコ、メキシコ3拠点)を持ち、各拠点で再生可能エネルギーを導入した。松本、メキシコ、チェコでは再生可能エネルギーによる電力を購入。松本、敦賀、横浜地区では、拠点内太陽光発電設備の導入を推進した。日本国内と中国、マレーシアでは、発電事業者から自然エネルギーで発電した電力を長期に購入するコーポレートPPAを導入した。
再エネの一括調達はパナソニックグループの調達本部とも連携している。地域ごとに最適な調達先を選定し、グループ全体で一括交渉している。
パナソニックグループで先駆けてCO2排出実質ゼロを達成するため、部門横断の全社プロジェクトを発足し、全社員が参加した省エネ意識の醸成と徹底を行った。また、空調の最適化や断熱強化、設備の冷却系統の見直しによるエネルギーロスの削減を進めた。さらに、照明や空調、コンプレッサーなど最新の省エネ機器への設備更新を積極的に実施した。
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