業務効率化の道具箱(8)ツールがないならVBAで作ってみよう山浦恒央の“くみこみ”な話(161)(3/3 ページ)

» 2023年01月24日 07時00分 公開
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4.2 VBAを使ってみよう

 今回は、VBAを起動し、簡単な計算を行うプログラムを作成します。図3の開発タブをクリックし、「Visual Basic」ボタンを選択します(図4)。

Excelの上部メニュー 図4 Excelの上部メニュー[クリックで拡大]

 図4の「Visual Basic」ボタンを選択すると、図5の開発用画面が現れます。

開発用画面 図5 開発用画面[クリックで拡大]

 図5は、VBAの開発画面です。ここでは、VBAを記述し、デバッグ/実行を行います。図5の赤枠(Sheet1)をダブルクリックし、エディタを表示しましょう(図6)。

VBAのエディタ 図6 VBAのエディタ[クリックで拡大]

 今回は、足し算を行って画面上に表示するプログラムを作成します。以下のプログラムを入力してください(リスト2)。

Option Explicit
Sub VbaTest()
    Dim result As Integer   '変数宣言
    result = 1 + 5      '1+5を実行後、resultへ代入
    MsgBox (result)     'resultの中身を画面に表示
End Sub
リスト2 今回の例題

 リスト2は、以下のようなプログラムです。

  1. 変数resultを宣言する
  2. 「1 + 5」を実行し、resultへ代入する
  3. 変数resultの中身を画面に表示する

 上記のプログラムを入力後、図7に示す赤枠(実行ボタン)をクリックします。

上部メニュー画面 図7 上部メニュー画面

 図7の上部メニュー画面をクリックすると、作成したプログラムを実行します(図8)。

実行画面 図8 実行画面

 図8にある通り、「1 + 5」の実行結果として「6」を表示していることが分かります。

5.終わりに

 ソフトウェア開発の業務は多岐にわたるため、外部ツールのみでは自分の業務とマッチしない場合があります。その場合は、自分でツールを作成すると良いでしょう。特に、VBAは、業務効率化の「最初の一歩」として有名です。

 今回は、効率化の準備編として、VBAの環境整備と簡単なプログラムを作成しました。VBAを活用することで、Excelでの業務が楽になります。ぜひ、効率化の道具箱に入れておいてください。面倒なことを正面からコツコツ処理するのではなく、サボるために面倒だけれどツールを作りましょう。「長生きできるなら、死んでもいい」が、エンジニアとしての正しい態度です。

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【 筆者紹介 】
山浦 恒央(やまうら つねお)

東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士)


1977年、日立ソフトウェアエンジニアリングに入社、2006年より、東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科助教授、2007年より、同大学大学院組込み技術研究科准教授、2016年より非常勤講師。

主な著書・訳書は、「Advances in Computers」 (Academic Press社、共著)、「ピープルウエア 第2版」「ソフトウェアテスト技法」「実践的プログラムテスト入門」「デスマーチ 第2版」「ソフトウエア開発プロフェッショナル」(以上、日経BP社、共訳)、「ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ」「初めて学ぶソフトウエアメトリクス」(以上、日経BP社、翻訳)。


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