2D図面から3D図面主体の製造プロセスへ、DXを推進する変換ツールを発売 : メカ設計ニュース
ラティス・テクノロジーは、2D図面主体の製造プロセスをデジタル3D図面主体のプロセスに変換するツール「XVL Converter Advanced」を発売した。XVLで3D図面を表現するため、設計意図をビジュアルで正確に伝えたり、確認したりできる。
ラティス・テクノロジーは2022年12月5日、製造業の製造プロセスを2D図面からデジタル3D図面を主体としたプロセスに変換するツール「XVL Converter Advanced 」の販売を開始した。1ライセンス当たりの価格は370万円で、年間保守料金は74万円となっている(いずれも税別)。
XVL Converter Advancedは、3D CAD「CATIA V5」で設定したセマンティックPMI(製品製造情報)を、超軽量3DフォーマットのXVLに変換し、3D図面をXVLで表現する。これにより、ビジュアルで設計意図を正確に伝えたり、確認できる。また、セマンティックPMIの利用により、検査工程での実測作業や入力の自動化に対応可能になる。
「CATIA V5」で設定したセマンティックPMIをそのままXVLに変換[クリックで拡大] 出所:ラティス・テクノロジー
XVL上で図面と同等の情報を保持でき、XVLから後工程に必要な情報を入手できるため、製造プロセスを3D図面主体にできる。高価な3D CADを持っていない中小規模の会社でも、3D図面で作業を進められる。
3D図面主体のデジタル製造プロセスに移行することで、2D図面への転記が不要になり、後工程の3D帳票や図面の作成、検査での実測作業やデータ入力も自動化できる。2D図面が原因で生じていた無理や無駄がなくなり、3Dの設計情報がワンストップで流れる製造プロセスに変革できる。
なお、XVL Converter Advancedでは、現在発売中の変換ツール「XVL Converter Light」からの移行パスを用意している。
同社は、3D図面を主体とする製造プロセスを推進する3D図面ソリューションとして、「変換」「情報付加」「情報伝達」に対応したXVL製品を提供する。今回発売のXVL Converter Advancedはその第1弾となり、2023年初頭から、情報を付加できる「XVL Studio」、情報を参照できる無償ビュワー「XVL Player」を順次公開する。
⇒ その他の「メカ設計」関連ニュースはこちら
Azure Kinect DKを活用した“疑似MR”機能を搭載する「XVL VR Plus」の最新版
ラティス・テクノロジーは、デジタル擦り合わせを支援する製造業向けソリューション「XVL Studio VR Plus オプション」(以下、XVL VR Plus)の最新バージョンの提供を2022年11月21日から開始すると発表した。
VR検証でワイヤレス/出張レス/コントローラーレスを実現する機能を強化
ラティス・テクノロジーは、バーチャル検証によるデジタル擦り合わせを支援する製造業向け「XVL Studio VR」において、生産技術領域向けに機能強化した最新の「VR Plus オプション」を、2022年4月18日から提供開始すると発表した。
生産設備検証の完全実機レスシミュレーションを可能にする新オプション
ラティス・テクノロジーは、設備開発用3D制御シミュレーターソフト「XVL Vmech Simulator」の新オプション「MELSEC GX Works Sim for Vmech」の提供を開始した。三菱電機のPLCと直接連携し、完全実機レスシミュレーションが可能になる。
DXの起点となる3Dデジタルツインを完成させる
日本の製造業が不確実性の高まる時代を生き抜いていくためには、ITを活用した企業の大変革、すなわち「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への取り組みが不可欠だ。本連載では「製造業DX推進のカギを握る3D設計」をテーマに、製造業が進むべき道を提示する。最終回となる第10回は「3Dデジタルツイン」をいかに完成させ、それをDXに生かしていくかを紹介する。
「V字モデル」開発を土台にDXを考える
日本の製造業が不確実性の高まる時代を生き抜いていくためには、ITを活用した企業の大変革、すなわち「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への取り組みが不可欠だ。本連載では「製造業DX推進のカギを握る3D設計」をテーマに、製造業が進むべき道を提示する。第9回は宇宙開発の過程で生まれた「V字モデル」による開発手法を土台に、3Dで進めるDX手法について考える。
現地現物のデジタル化でDXを促進する
日本の製造業が不確実性の高まる時代を生き抜いていくためには、ITを活用した企業の大変革、すなわち「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への取り組みが不可欠だ。本連載では「製造業DX推進のカギを握る3D設計」をテーマに、製造業が進むべき道を提示する。第8回は“現地現物のデジタル化”という観点で、DXをどのように進めていくべきかを考察する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.