どんなに修理が容易でも、故障しないことが一番であることには変わりない。西部氏は「日々の微妙な変化を検出し、故障を予知することであらかじめ交換部品を用意しておいたり、メンテナンスを行ったりしたいというニーズをいただいている」と話す。
そこで、ユニバーサルロボット製ロボットの稼働監視に役立つ「e-F@ctory支援モジュール」について、三菱電機 機器計画部 制御システムグループの田中直樹氏が説明した。
e-F@ctory支援モジュールをユニバーサルロボット向けに適用し、協働ロボットの稼働状況をグラフで見える化、さらに協働ロボットの電流値を波形で表示し、現場やオフィスで監視する機能を提供する。なお、サービスの利用にあたっては三菱電機のシーケンサー「MELSEC iQ-R」または「MELSEC iQ-F」、およびタッチパネル「GOT2000」を用意する必要がある。
田中氏は「なぜ制御を担うシーケンサーで監視をするのかという声もいただくが、実際にシーケンサーで見える化を行っているユーザーは多数いる。そのため、見える化のプログラムを自社で製作した」と話す。メリットには、装置のデータが既にシーケンサーに集約されている他、シーケンサー同士の通信が簡単で、採用したことがない機器やPCソフトを入れなくても始められる点などを挙げる。
見える化のシステム自体は、既に多くに企業がさまざまなソリューションを提供している。「市場の要望を愚直に考えて出した製品だ。まず手軽に導入でき、FAを熟知したわれわれだからできるシステムの提供を考えた」と話す。
グラフは1日単位など任意の時間で表示でき、動作中、停止中、緊急停止などの稼働状況を色別に表すことができる。電流値は波形の形状に沿ったガードバンド波形を自動生成し、その波形から外れた波形が発生しないかを監視する。「例えば、グリス切れなどによる電流値の微小な上昇を検出してメンテナンスすることができる」(田中氏)。ガードバンド波形の閾値は調整可能だ。
ある金属加工メーカーでは、加工機と搬送装置の間におけるピッキング用ロボットの稼働監視に導入し、設備総合効率や異常発生時の解析に活用しているという。
田中氏はe-F@ctory支援モジュールをQC活動の一環として利用することも提案する。「QC活動を始めるにあたって、現場の稼働状況を紙に記録したり、それらを基に時間を算出した経験がある人もいるのではないか。e-F@ctory支援モジュールなら、稼働中の設備にほとんど影響なく、データだけを吸い上げてタッチパネルで見える化できる。PCをタッチパネル化するソフトウェアも提供している」(田中氏)。
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