中国監視カメラ大手が日本進出2周年、スマート駐車場サービスなど展開製造ITニュース

中国の監視カメラ大手Dahua Technologyの日本法人Dahua Technology Japanが設立2周年を迎え、2022年10月25日、東京都内でメディア向けに事業説明会を開催した。会場では、同社が得意とする監視カメラを使った駐車場や小売店向けのソリューションをアピールした。

» 2022年10月28日 13時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 中国の監視カメラ大手Dahua Technologyの日本法人Dahua Technology Japanが設立2周年を迎え、2022年10月25日、東京都内でメディア向けに事業説明会を開催した。会場では、同社が得意とする監視カメラを使った駐車場や小売店向けのソリューションをアピールした。

個人情報を守るモザイク機能やオレオレ詐欺防止機能も

 小売店向けには、AI(人工知能)カメラなどを組み合わせた総合的なソリューションを展開する。

 顔認証を応用したピープルカウントカメラは、通過した人物を特定し、従業員や複数回通過した人物などは来店者数から除外できる。ステレオカメラを用いたピープルカウントは3次元分析などにより、正確な通行量を計測する他、複数箇所に設置して得られたデータを組み合わせることも可能になっている。来店者の顔にモザイクをかけ、必要な場合のみ権限者がモザイクを解除する機能も用意した。

 来店客の性別、年齢、眼鏡やひげ、マスクの有無などの属性認識も可能で、広告サイネージと連携して最適な広告を表示して販促効果を高めることもできる。また、フィッシュアイは内蔵したAIによって、店内における来店者の滞留時間や通行量を把握し、一番よく通るエリアや立ち止まるエリアを視覚的に理解できる。

 会場では“オレオレ詐欺”などを防止するため、携帯電話で会話している来店者を検出して通知する機能も披露された。

携帯電話で話し込む説明員をカメラが検知してアラートを発した

 駐車場向けにはナンバープレート認識カメラと車室検知カメラなどを組み合わせたソリューションを提供する。ナンバープレート認識カメラは自動車のナンバープレートおよび形を自動認識することができ、事前にリストを設定しておけば指定した自動車にだけゲートを開くなどの動作が可能になる。

 車室検知カメラは屋内用と屋外用があり、屋内用は駐車スペースの空き状況を把握して、カメラ内蔵のLED表示灯で空き状況などを表示できる。屋外用は高所に設置することで、1台で最大50台分までの車室を検知する。

 その他、顔や指紋の生態認証、2次元コードによる非接触解錠などの住宅向けサービスも展示した。

満車時にはLEDが赤く光り(左)、空きスペースが生まれると緑色に点灯(右)[クリックして拡大]

 Dahua Technology 東南アジア地域統括本部 部長の崔宇(サイ・ウ)氏は「オムディアの市場調査によると、2014年以降、われわれは監視カメラで世界2位のサプライヤーとなった。日本は世界でも最大規模のセキュリティ市場ならびにIoT市場だ。この日本市場のニーズに対応するため、われわれのソリューションをローカライズ、カスタマイズしていく」と述べた。

 Dahua Technology Japanの李斌(リー・ビン)氏は「本来であれば日本上陸と同時にこのような事業説明会を開きたかったが、昨今の情勢を鑑み、本日の開催となった。今後の3年間で、東京を起点としながら西日本市場にも拡大し、東京、大阪の2拠点を中心とする体制を確立していく」と流ちょうな日本語で話した。

Dahua Technology 東南アジア地域統括本部 部長の崔氏(右)とDahua Technology Japanの李氏 Dahua Technology 東南アジア地域統括本部 部長の崔氏(右)とDahua Technology Japanの李氏(左)

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