村田製作所は、「CEATEC 2022」において、開発中の小型かつ低消費電力のエッジAI(人工知能)モジュールを披露した。同社は既に、グーグルと共同開発した「Coral Accelerator Module」を製品化し量産しているがその小型版の位置付けとなる。
村田製作所は、「CEATEC 2022」(2022年10月18〜21日、幕張メッセ)において、開発中の超小型かつ低消費電力のエッジAI(人工知能)モジュールを披露した。同社は既に、グーグル(Google)と共同開発した「Coral Accelerator Module」を製品化し量産しているが、その小型版の位置付けとなる。
Coral Accelerator Moduleは、グーグルの組み込みAIチップ「Edge TPU」を中核に、PCIe Gen2とUSB 2.0などのインタフェースを搭載するマルチチップモジュールだ。外形寸法は15.0×10.0×1.5mmで1セント硬貨より小さいにもかかわらず、AI処理性能は4TOPSで消費電力も1.4Wと小さい。
今回展示した開発品の外形寸法は6.1×5.8×1.45mmでさらに小さい。超低消費電力のAIアクセラレーターを手掛ける米国のスタートアップSyntiantのAIチップ「NDP102」をモジュール化しており、AI処理性能は0.02TOPSと限定されるものの、消費電力は200μW(0.2mW)となっており小型電池で常時駆動させることも可能な水準に抑えられている。
展示では、Coral Accelerator ModuleのAI処理能力により、物体検出と骨格推定を同一フレーム内で実行できることを示すジェスチャーゲームのデモを披露した。
一方、開発品の超小型エッジAIモジュールについては、液晶ディスプレイの電源オン/オフ、明るさの制御を行う音声コマンドを認識するデモを行った。
開発品の超小型AIチップは16Mビット程度のフラッシュメモリを搭載しており、簡単な音声認識アルゴリズムであれば十分に組み込めるという。「現在さまざまな顧客が評価中だが、正式採用されれば1年程度で量産を立ち上げられる」(村田製作所の説明員)という。
なお、村田製作所のエッジAIモジュールは、「CEATEC AWARD 2022」の「キーテクノロジー部門」のグランプリを受賞した。
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