ArchiTekは2022年9月15日、エッジでの多様なデータ処理に対応するために、異なる種類のプロセッサを混載したヘテロジニアスなアーキテクチャの量産を2023年後半に開始することを発表した。さまざまな用途での活用が期待されているが、まずはカメラと組み合わせた転倒検知や人数確認など、見守り用途やサイネージ用途での展開を進めていく。
ArchiTekは2022年9月15日、エッジでの多様なデータ処理に対応するために、異なる種類のプロセッサを混載したヘテロジニアスなアーキテクチャの量産を2023年後半に開始することを発表した。さまざまな用途での活用が期待されているが、まずはカメラと組み合わせた転倒検知や人数確認など、見守り用途やサイネージ用途での展開を進めていく。
ArchiTekは、パナソニックでさまざまな画像処理LSIを開発してきた高田周一氏が2011年に立ち上げた研究開発型のベンチャー企業で、日本政府が推進するJ-Startup企業にも認定されている。「シンプルで美しい技術開発により、世界のより良いくらしと社会の発展に貢献する」を企業理念とし、DX(デジタルトランスフォーメーション) の核となるエッジAIプロセッサを開発している。
ArchiTekの開発するエッジAIプロセッサの特徴がヘテロジニアス(異なるアーキテクチャのプロセッサを効率よく実行する)を志向しているということだ。エッジという制限された環境で画像、音声、その他のセンサーデータを効率よく処理するためには、CPUやGPU、DNNエンジンといった単一アーキテクチャのプロセッサでは限界がある。ArchiTekが開発した「AiOnIc」は、さまざまなエンジンを1つのチップ上に載せ、最適に動作させることができる。
ポイントは、ハードウェアでありながらエンジン群の機能をパラメータにより拡張し、さらには、それらエンジン群やプロセッサを動的に組み替えることでさまざまな機能を柔軟に実現できる点だ。具体的には、搭載された各エンジンを電子ブロックのように組み合わせて機能を実現。さらに、動作も時分割方式でナノ秒単位で組み換えることで、複数の作業を精密に並列実行を行えるようにしている。これらのスケジューリングはハードウェアで行うためにナノ秒単位の調停を高効率に行えるという。
そのため小型で低消費電力でありながら、多様なセンサーデータ処理に十分な性能を発揮する。CPU内蔵のSoCとしてコンパクトなシステムの構築が可能なため、組み込みに最適なプラットフォームだとしている。
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