エッジコンピューティングの逆襲 特集

Cortex-M0+マイコンで動作する軽量エッジAI、オンプレミスの開発環境を提供人工知能ニュース

エイシングは、同社の軽量エッジAIアルゴリズム「MST」などを用いたAIモデルをオンプレミスで構築できる開発環境「AiiR On-premises β版」を発表した。同日から募集しているモニター企業5社を対象に順次提供を開始する。

» 2022年02月16日 10時00分 公開
[MONOist]

 エイシングは2022年2月15日、同社の軽量エッジAI(人工知能)アルゴリズム「MST(Memory Saving Tree)」などを用いたAIモデルをオンプレミスで構築できる開発環境「AiiR On-premises β版」を発表した。同日から募集しているモニター企業5社を対象に順次提供を開始する。

 同社は「AiiR(AI in Real-time)シリーズ」として、数KBのメモリ容量で動作可能で、環境の変化に合わせて逐次学習が可能なエッジAIアルゴリズムを提供している。同シリーズのうち「MST(Memory Saving Tree)」は、Armの「Cortex-M0+」を搭載するローエンドマイコンでも動作する。

 これまでAiiRシリーズの開発環境としては、2021年5月に「AiiR-M1 モジュール」、2021年12月に「AiiR Cloud β版」を発表しており、AiiR On-premises β版は第3弾となる。AiiR-M1 モジュールは、USB接続が可能な小型の評価ボードタイプの開発環境であり、最終的なハードウェアへの組み込みを前提とするハードウェア制約を考慮した検証が主な用途だった。一方、AiiR Cloud β版は、クラウド上でのAIモデルを構築できる利便性の高さが特徴となっている。ただし、対応するプログラミング言語はPythonのみだった。

「AiiRシリーズ」の開発環境 「AiiRシリーズ」の開発環境。新たにオンプレミスで利用できる「AiiR On-premises β版」が加わった[クリックで拡大] 出所:エイシング

 今回発表した、AiiR On-premises β版は、クラウドにおけるデータ活用に制約が多い製造業など向けにオンプレミス環境でのAIモデル構築を行えるようにしたものだ。プログラミング言語としては、AiiR Cloud β版で利用できるPythonに加えて、組み込みソフトウェア開発者に広く利用されているC言語にも対応している。

「AiiRシリーズ」の開発環境の選択フロー 「AiiRシリーズ」の開発環境の選択フロー[クリックで拡大] 出所:エイシング

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