港のコンテナ輸送を最適化、配車業務の効率化やドライバーの負担軽減に効果船も「CASE」

日鉄ソリューションズは2022年9月13日、港運事業者向けのコンテナ輸送の最適化を支援するトヨタ自動車のクラウドサービスのシステム構築と名古屋港での実証実験を支援したと発表した。

» 2022年09月15日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 日鉄ソリューションズは2022年9月13日、港運事業者向けのコンテナ輸送の最適化を支援するトヨタ自動車のクラウドサービスのシステム構築と名古屋港での実証実験を支援したと発表した。

 名古屋港内ではコンテナの陸上輸送を担うトラック配送業務のドライバーの高齢化が進んでおり、労働力不足や業務のノウハウ継承が大きな課題となっている。今回の検証では、コンテナ輸送に関わる物流会社を横断したプラットフォームを構築してデジタルにつなぐことで、輸送会社の配車業務やドライバーの負担軽減、倉庫の荷役管理業務効率化を目指した。

 名古屋港の港運企業と検証した配車最適化サービスのシステムは、トレーラーヘッドやシャシー、コンテナ、倉庫側発着バースの情報をGPSやOCR(光学文字認識技術)でデータ化し、利用状況の把握や到着時間の予測を行うとともに、リアルタイムで最適な配車指示を行えるよう支援する。

 これにより、コンテナ陸上輸送の効率化、配車担当者やドライバーの負担軽減、けん引車両や駐車ヤードの有効活用などの効果がみられた。今回のコンテナ輸送最適化システムはサービス化し、名古屋港以外でコンテナ輸送に関わる物流企業にも提案していく。

 このサービスは、企業間を超えた複雑な業務プロセスの改善であり、業務を最適化する技術の実現難易度も高いテーマであるため、従来のウオーターフォール型のシステム開発手法では実現が難しいと判断。試行錯誤を繰り返しながら状況適応型開発でサービスを生み出すため、日鉄ソリューションズでサービスデザイン・リモートアジャイル開発手法を研究する社内組織Beyond Experience Design Centerで開発した。

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