両ソリューションの性能比較は、固定デューティサイクルの下での動作時間で評価しました。バッテリーの動作時間は、平均負荷電流とバッテリー容量から、式(1)に基づいて計算できます。
平均負荷電流は、式(2)から導き出されるIoTデバイスのデューティサイクルを用いて、式(3)に基づいて計算できます。なお、アクティブ電流は、ワイヤレスセンサーノード全体が動作するときの消費電流です。
両ソリューションとも、IoTデバイスが2時間に1回ウェークアップし、特定のタスクを実行して、その後ディープスリープモードに入ると想定します。システムのアクティブ電流は5mAです。バッテリー動作時間は、動作のデューティサイクルによって変わります。図5は、デューティサイクルが0.005〜0.015%まで変化する場合について、2つのソリューションのバッテリー動作時間を示しています。
仕様 | ディスクリートソリューション | 集積化ソリューション |
---|---|---|
コイン型電池の容量 | 250mAh | 250mAh |
シャットダウン電流 | 146nA | 30nA |
スリープ電流 | 170nA | 10nA |
IC数 | 3(RTC+負荷スイッチ+プッシュボタンコントローラー) | 1(MAX16163) |
水晶発振器 | 必要 | 不要 |
ソリューションサイズ | 130mm2(標準) | 50mm2(標準) |
表2 両ソリューションの比較 |
また表2にもある通り、集積化ソリューションの方が、シャットダウン電流やスリープ電流が小さく、バッテリー動作時間でも有利になることが分かります。0.007%のデューティサイクル動作では、バッテリー動作時間を約20%延長できています。ソリューションサイズも4割削減することが可能です。
Suryash Rai氏は、2016年からアナログ・デバイセズでアプリケーション・エンジニアとして勤務し、保護ICポートフォリオを担当している。インド国立工科大学カルナタカ校(NITKスラスカール)で通信工学の修士号を取得。カリフォルニア州サンノゼ在住で、料理、旅行、新しい友人たちとの出会いを楽しんでいる。
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