2020年1月、ダボス会議を実施する世界経済フォーラム(WEF)が日立製作所の大みか事業所(茨城県日立市)を、「第4次産業革命をリードする先進的な工場」として「Lighthouse」に認定しました。同工場は鉄道や電力、上下水道など社会インフラの情報制御システムを手掛けていますが、これらは基本的に1品ごとに顧客に合わせたカスタマイズが要求されます。こうした製品の生産過程をIoT(モノのインターネット)やデータ分析技術によって改革し続け、成果を残した点などが評価されたようです。それまで日本企業が国内で展開する工場がLighthouseに認定されたことはなく、大みか工場が初めての受賞となりました。
この大みか事業所が今、カーボンニュートラルの達成においても“先進的”な取り組みを始めようとしています。それが表れているのが、「大みかグリーンネットワーク」という構想です。同構想のポイントは、大みか事業所単体でカーボンニュートラル実現を考えるのではなく、同事業所を起点に地域の「ネットワーク」を構築し、地域企業や行政などを巻き込みながら、サプライチェーン全体でCO2排出量の削減目標を達成しようとしている点にあります。
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- 日立大みか事業所は地域全体でCO2削減に挑む、先進工場が目指す脱炭素の在り方
日立製作所の大みか事業所は2022年6月、「大みかグリーンネットワーク」という構想を発表した。注目したいのが、大みか事業所を中心にサプライチェーン企業や地域企業などを巻き込み、「地域社会全体での成長可能な脱炭素」を目指すというコンセプトだ。スコープ3の対応に頭を悩ませる製造業も多いが、同事業所ではどのように達成を目指すのか。
- いまさら聞けない「スコープ3」
現在、製造業をはじめとする産業界ではCO2などGHG排出のカーボンニュートラル化を目指す取り組みが急加速しています。その中で急務とされるのがGHGプロトコルにおける「スコープ3」の排出量削減です。スコープ3とは何なのか、簡単に分かりやすく説明します。
- 変種変量生産で効率50%向上、“世界的先進工場”は何を行っているのか
2020年1月にWEFによる「第4次産業革命を主導する世界的先進工場(ライトハウス)」に選ばれた日立製作所の大みか事業所。世界の中でも先進的な取り組みを進めるスマートファクトリーとして評価された工場となったわけだが、具体的にはどういう取り組みを行っているのだろうか。同工場の取り組みを紹介する。
- 世界的先進スマート工場への軌跡、日立製作所 大みか事業所の取り組み
MONOistなどは2020年12月14〜15日、オンラインでセミナー「MONOist IoT Forum 2020 Digital Live」を開催した。本稿では、前編で日立製作所 制御プラットフォーム統括本部 大みか事業所 統括本部長の花見英樹氏による「世界の先進工場『Lighthouse』に選出された日立製作所 大みか事業所の取り組み」を含むDay1の内容をダイジェストで紹介する。
- 頼るべき“ルール”見えぬ脱炭素、国内製造業は立ち止まらずに進めるのか
ここ最近、大手製造業各社が脱炭素に向けた挑戦的な目標設定を次々に打ち出している。一方で、「では実際に脱炭素を進めればいいのか」と悩む企業も少なくない。既存のGHG削減や省エネ化といった施策に加えて何をすべきなのか、そもそも業界共通の制度やルールづくりが進まない中、何をすればよいのか。脱炭素実現に向けた国内製造業の“現在地”について話を聞いた。
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