インターステラテクノロジズは、同社の小型人工衛星用ロケット「ZERO」のエンジンにおいて重要部品となるガスジェネレーターの燃焼試験に成功した。2023年度には、エンジン統合試験を実施する計画だ。
インターステラテクノロジズは2022年8月2日、同社の小型人工衛星用ロケット「ZERO」のエンジンで重要部品となる、ガスジェネレーター(ガス発生器)の燃焼試験に成功したと発表した。
燃焼試験は、北海道スペースポート「Launch Complex-0」にて、2022年6月2日〜8月2日までの期間に計16回実施した。
試験に使用したガスジェネレーターは、長さが約23cm、直径が約12cm、重量が約2kg。ステンレスおよび耐熱合金のインコネルを素材に使用した。発生させた高温高圧のガスは、ロケットのターボポンプにおいてタービン部分の動力源となる。
今回の試験では、実際の打ち上げに使用する液化メタンを燃料に用いて、規定のガス温度や流量、圧力、温度分布の均一化目標を達成した。従来の試験では、メタンガスを燃料に用いていた。
また、今回初めて、ロケットの大型化や大出力化に適したターボポンプをZEROに採用した。同ターボポンプには、ガスジェネレーターで生じたガスの力でターボポンプのタービンを1分間に数万回転させられる「ガスジェネレーターサイクル」を導入している。同社がこれまで打ち上げを実施した観測ロケット「MOMO」では、ヘリウムガスで推進剤を加圧してエンジンに送るガス押し式を採用していた。
同社は今後、エンジンの他の部品と組み合わせた試験を複数実施し、2023年度にはエンジン統合試験を実施する。また、牛が排出するメタンガスを牧場から買い取り、液化バイオメタンを製造してロケット燃料とすることも計画している。
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