シエンタが全面改良で2列目の居住性を向上、OTAやリスク先読みの先進装備も車両デザイン

トヨタ自動車は2022年8月23日、ミニバン「シエンタ」をフルモデルチェンジして発売した。コンパクトカーの運転しやすさとミニバンの利便性を深化させた。また、ディーラーオプションを活用して好みにアレンジできるようにした。子育てや介護などユーザーのライフステージに寄り添う。

» 2022年08月24日 06時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 トヨタ自動車は2022年8月23日、ミニバン「シエンタ」をフルモデルチェンジして発売した。コンパクトカーの運転しやすさとミニバンの利便性を深化させた。また、ディーラーオプションを活用して好みにアレンジできるようにした。子育てや介護などユーザーのライフステージに寄り添う。

 新型シエンタの月間販売目標は8300台。メーカー希望小売価格は、排気量1.5l(リットル)のダイナミックフォースエンジンとダイレクトシフトCVTを組み合わせたガソリンエンジン車が195万〜256万円、排気量1.5lのダイナミックフォースエンジンにシリーズパラレルハイブリッドシステムを組み合わせたハイブリッド車(HEV)が238万〜310万8000円となる。

 自動車保険やメンテナンス費用など諸経費をまとめて定額で支払う「KINTO ONE」でも取り扱う。新型シエンタはトヨタ自動車東日本の宮城大衡工場(宮城県大衡村)で生産する。

新型シエンタを発売した[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車
新型シエンタの外観(左)とインテリア(右)[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 新型シエンタでは、扱いやすい5ナンバーサイズの全長、全幅を維持しながら2列目シートの居住性を向上させた。前後カップルディスタンスは従来モデル比80mm増の1000mmで、2列目のシートの空間にクラストップレベルの余裕を持たせた。買い物かごを足元にそのまま置くこともできる。室内高は従来モデル比で20mm高くした。

 フロア地上高の低さ(330mm)やフラットなフロアは従来モデルを踏襲しているが、パワースライドドアの開口部の高さを従来モデル比60mm増の1200mmとし、乗降性を高めた。バックドアの開口部の高さも従来モデル比で15mm拡大し、荷室高も同じく20mm高くしている。

乗降性を高めるための取り組み[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 新型シエンタのエクステリアは、「シカクマル」をテーマに、コーナー部分を丸くしてコンパクトに見せている。サイドプロテクションは、ツールとしての機能性を表現している。ベルトラインを水平にし、大きな窓によって視界と見切りの良さを確保した。インテリアも、水平基調のインストゥルメントパネルが左右のドアベルトラインにシームレスにつながることによって、車両感覚をつかみやすくしている。

 安全面では、衝突被害軽減ブレーキや、“かもしれない運転”でリスクを先読みしてステアリングやブレーキ操作をアシストする「プロアクティブドライビングアシスト」などを含む運転支援システムの「Toyota Safety Sense」を全車標準装備とした。駐車時の操作を支援する「アドバンストパーク」も設定した。無線通信や販売店での有線接続によってソフトウェアを最新の状態に更新でき、購入後も最新の運転支援機能を利用することが可能だ。

 プラットフォームは「TNGAプラットフォーム(GA-B)」をベースに新たに設計した。主要な骨格を連結させた環状骨格構造により結合部の剛性を向上させた他、ボディーの軽量化と高剛性化によって乗り心地と操縦安定性を高めている。主要骨格に採用した構造用接着剤やルーフパネルに使用したマスチックシーラーの一部を高減衰タイプとしたことも、操縦安定性や乗り心地、静粛性に貢献した。

 高剛性ボディーに合わせて前後のサスペンションジオメトリーを最適化し、フロントにマクファーソンストラット式を、リヤにはトーションビーム式を採用した。

高減衰タイプの構造用接着剤やルーフマスチックを使用した[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車
高減衰材料の効果[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

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