高齢ドライバーの認知機能や体調から運転のアドバイス、ホンダやエーザイなど安全システム

ホンダとエーザイ、大分大学、臼杵市医師会は2022年8月12日、高齢ドライバーの認知機能や日常の体調変化、運転能力の関係性を検証する共同研究契約を締結したと発表した。2022年9月1日〜2023年3月31日の期間で、大分県臼杵市に住む65歳以上の高齢者100人を対象に実証実験を行う。

» 2022年08月15日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ホンダとエーザイ、大分大学、臼杵市医師会は2022年8月12日、高齢ドライバーの認知機能や日常の体調変化、運転能力の関係性を検証する共同研究契約を締結したと発表した。2022年9月1日〜2023年3月31日の期間で、大分県臼杵市に住む65歳以上の高齢者100人を対象に実証実験を行う。

 一人一人に合わせた安心安全を提供することで、高齢ドライバーの安全な運転や健康の維持向上を実現するとともに、家族と地域も安心できる事故ゼロ社会を目指す。

 共同研究では、日常の体調と運転中の状態を常に見守るとともに、運転中の認知や操作にどのような関係性があるかを調べる。まず、臼杵市医師会立市民健康管理センターで健康診断と認知機能テストの一部を、大分大学医学部神経内科学講座で主に認知機能テストを実施する。

 認知機能テストでは、臨床診断のための画像検査や神経心理学的検査の他、脳の健康度をセルフチェックするエーザイのツールを使用する。エーザイのツールは、PCなどを用いた簡便なトランプのカードを使ったテストによって脳の反応速度や注意力、視覚、記憶力をテストする。

 また、実証実験の対象者はウェアラブルデバイスを身に着け、睡眠や運動量、ストレスなどを計測する。運転認知行動と運転操作のテストは、ドライビングシミュレーターによってドライバーの行動や状態をモニタリングするホンダの研究成果を活用したツールを用いる。

 日々の体調と運転行動をモニタリングすることで、運転に関わる認知機能の低下を検知して知らせるとともに、体調や運転能力の変化に合わせた運転のアドバイスや、健康促進のアドバイスを提供する。

 年齢による体調や運転能力への不安を理由に運転免許を返納することで移動の不便を感じ、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)が低下するという社会課題の解決につなげる。

共同研究の概要[クリックで拡大] 出所:ホンダ
高齢ドライバー一人一人に合わせたアドバイス[クリックで拡大] 出所:ホンダ

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