ヤマハ発動機と日本自動車連盟(JAF)は2022年6月8日、電動ランドカーで協業を始めると発表した。JAFの全国のサービス網や自治体とのつながりを生かして、移動困難地域や観光地などにヤマハ発動機の電動ランドカーを普及させる。
ヤマハ発動機と日本自動車連盟(JAF)は2022年6月8日、電動ランドカーで協業を始めると発表した。JAFの全国のサービス網や自治体とのつながりを生かして、移動困難地域や観光地などにヤマハ発動機の電動ランドカーを普及させる。かつての新興住宅地、中山間地域、離島、観光地などに向けて提案していく。当面はドライバーが運転する車両として展開するが、将来的には自動運転車としての導入も視野に入れている。
電動ランドカーはゴルフカーをベースにしており、最高速度は時速20km以下となる低速モビリティだ。一般的な自動車と比べてスピードが出ないため、幹線道路などで流れに乗って走るのは難しいが、従来の公共交通を小規模に補完する上では機能する。また、ゆっくりとした移動によって、ドライバーと乗客、歩行者のコミュニケーション促進や、高齢者の外出促進や観光客の満足度向上などの効果も期待できる。ドアがないことによる開放感なども楽しめるという。
公共交通機関にアクセスできない地域の移動課題の解決は、2024年が最終年度のヤマハ発動機の中期経営計画で注力する新規事業の1つでもある。新規事業全体では2024年に売上高300億円を目指している。
協業では、導入地域の選定や、地域での導入の検討に付随する業務、導入後のアフターサービス、電動ランドカーの安全運転講習などをJAFが行う。ヤマハ発動機は車両提供や運転支援システムの搭載を担う。また、100台/70カ所以上のこれまでの導入実績を基にした運行方法やルート策定などの知見をJAFに提供する。
JAFは1963年に発足した。会員数は2021年に2000万人を突破し、過去最多を記録した。ロードサービスだけでなく、会員優待サービス、交通安全運動などさまざまな事業を展開している。646の自治体と観光協定を結んでおり、自治体の情報発信や、地域の魅力を伝えるドライブコースの提案なども行う。
JAFで低速モビリティの普及に取り組むのは、クルマの使い方の変化に対応しながら、地域や自動車ユーザーと密接な関係を築くためだという。観光支援や移動サービス、地域振興を融合させて、過疎化や高齢化、観光誘致、公共交通の衰退、脱炭素社会の実現など地域課題の解決に貢献したい考えだ。
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