日産自動車が経営再建計画「Re:Nissan」の進捗状況と2025年度第1四半期の連結業績を説明。Re:Nissanでは、日本国外に初めて設立した生産拠点であるメキシコのシバック工場の車両生産を同国内のアグアスカリエンテス工場に統合することを決めた。
日産自動車は2025年7月30日、横浜市内とオンラインで会見を開き、経営再建計画「Re:Nissan」の進捗状況と2025年度(2026年3月期)第1四半期(4〜6月期)の連結業績について説明した。Re:Nissanでは、日本国外に初めて設立した生産拠点であるメキシコのシバック工場(クエルナバカ)の車両生産を同国内のアグアスカリエンテス工場に統合することを決めた。これにより、グローバルで削減/統合を計画している7つの生産拠点のうち、既に発表のあった追浜工場(神奈川県横須賀市)を含めて5つまで決定したことになる。
同社が日本国外に設立した初の生産拠点として1966年に操業を開始したシバック工場はこれまでに650万台以上の車両を生産してきた。現在はピックアップトラック「NP300」「フロンティア」、コンパクトカー「ヴァーサ」を生産しており、これらはアグアスカリエンテス工場に移管される。
日産自動車 社長兼CEOのイヴァン・エスピノーサ氏は「11週前にRe:Nissanを発表してから取り組みは前進している。今後やるべき活動は明快で、新たなチーム体制の下で本計画の実行を厳格かつ真摯(しんし)に進めている。2025年度上半期の業績は当社が直面する課題の深さを反映しており、このことがRe:Nissanの規律正しい取り組みを続けることの重要性を示している」と語る。
Re:Nissanでは、2026年度における2024年度比のコスト削減目標を、変動費で2500億円、固定費で2500億円の合計5000億円としている。変動費については、300人のエキスパートが3カ月間、大部屋で集中的に議論してアイデア出しを行った。考案された4000のアイデアの内、1600が実行段階に入っているという。「これまでの活動で変動費のコスト削減目標の3分の2に相当する効果のめどが立っている」(エスピノーサ氏)という。ただし、実際に効果が出てくるのは組織や体制の変更後になるため2026年度末までかかる見込みだ。
固定費の削減では5つの生産拠点の削減/統合が決定した他、タイ工場の組み立てラインを1本に統合するとともに、米国と英国の工場における勤務シフトの変更も行う。Re:Nissanではパワートレイン工場の統合も予定しており、具体策が決定次第発表する予定だ。生産拠点以外の固定費削減では、タスクフォースチームがバリューチェン全体のコスト削減を精査しており、2025年度第1四半期の時点で300億円以上の経費削減を実現したとしている。
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