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» 2022年07月11日 14時00分 公開

安価なミリ波センサーで姿勢推定、デジタルと人文社会科学の融合で実現組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

富士通は、79GHz帯を用いる安価なミリ波センサーを用いて人の姿勢を高精度に推定できる新技術を開発した。これと、人の複雑な行動を認識する独自のAI技術「行動分析技術 Actlyzer」を連携させることで、病院や介護施設などのプライバシー性の高い空間でもカメラを設置せずに転倒前後の行動を詳細に分析できるという。

[朴尚洙,MONOist]

 富士通は2022年7月6日、オンラインで会見を開き、79GHz帯を用いる安価なミリ波センサーを用いて人の姿勢を高精度に推定できる新技術を開発したと発表した。これと、人の複雑な行動を認識する独自のAI(人工知能)技術「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)」を連携させることで、病院や介護施設などのプライバシー性の高い空間でもカメラを設置せずに転倒前後の行動を詳細に分析できるという。今後は実証実験で効果検証と精度向上を重ね、2023年度中のサービス化を目指す。

 今回発表した技術は「点群データ拡張技術」「姿勢推定AIモデル」「Actlyzerによる行動分析」の3つから成る。

ミリ波センサーによる高精度姿勢推定技術の概要 ミリ波センサーによる高精度姿勢推定技術の概要[クリックで拡大] 出所:富士通

 79GHz帯や24GHz帯などを用いる安価なミリ波センサーは、1回当たりの電波の照射で取得できる点群データの粒度が粗い。この安価なミリ波センサーでも高精度な推定を実現するため、人の姿勢が時系列の点群データとして表現できることに着目した。複数回の電波照射によって取得できる大量の点群データから、人の姿勢を推定するのに適した点群データを選定し、粒度が細かい点群データへの拡張を可能にしたのが「点群データ拡張技術」である。

点群データ拡張技術 点群データ拡張技術[クリックで拡大] 出所:富士通

 この「点群データ拡張技術」からさらに高精度に姿勢を推定するため、点群データと人の関節点の3次元座標情報を対応させた大規模データセットを構築した。データセットは、約140人の人物による、約50種類の異なるシーンでの行動データを取得して構成。このデータセットに基づいて高精度な「姿勢推定AIモデル」を開発した。

姿勢推定AIモデル 姿勢推定AIモデル[クリックで拡大] 出所:富士通

 ミリ波センサーの点群データから「姿勢推定AIモデル」で推定した姿勢に対して「Actlyzerによる行動分析」を行うことで、ベッドから立ち上がった時の転倒なのか歩行時の転倒なのか、といった前後の行動を含む詳細な分析が可能になる。

「Actlyzer」による行動分析 「Actlyzer」による行動分析[クリックで拡大] 出所:富士通
ミリ波レーダーで転倒を検知する様子 ミリ波レーダーで転倒を検知する様子[クリックで拡大] 出所:富士通
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