興味深いのはここからだ。現状のAMDのAI開発プラットフォームは、GPUの「Radeon Instinct/Radeon」に向けて提供される「ROCm」と、Versal/Zynq向けに提供される「Vitis」ということになるのだが(図11)、まず第1弾として全てのプラットフォームで共通に動作する“ガワ”として「Unified AI Stack 1.0」を提供する(図12)。
ところがその次の段階では、かなりの部分を共通化するとした(図13)。この「Unified AI Stack 2.0」が提供されるのは、CPUに「XDNA」としてAI Engine(-ML)が搭載されるZen 5世代が投入される2024年ごろと目される。
つまり、Unified AI Stack 1.0が2023年にまず投入され、これを最適化したものが2024年に投入される格好だ。この2.0世代で、CPUのAI Engineの最適化は「Zen Studio」に加えて「Vitis AIE tool」が利用されるというあたり、XilinxのACAP向け技術がそのままCPUに統合されていく、という格好になるわけだ。
こうした流れの中では、例えば長期的にはCPUとFPGA/ACAPが同じパッケージの上でチップレットの形で統合されることもあり得るだろう(図14)。まだ統合は始まったばかりだから、今後どんな方向に向かってゆくか正確に示すのは難しいが、意外にシームレスにAMDとXilinxは製品ラインアップを融合させていきそうであり、AECGがそうした融合の作業を当面は担うことになるもようだ。
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