アプリクラフトと広島大学は「Grasshopper」を使用して、表面処理生成機能の拡張と、デジタル上で生成された3Dデータハイトマップを画像化し出力するアルゴリズムを作成した。デジタルオブジェクトの表面触感を予測できる。
アプリクラフトは2022年6月14日、「Grasshopper」を使用して、「表面処理生成機能の拡張」と「デジタル上で生成された3Dデータハイトマップを画像化し出力するアルゴリズム」を作成したと発表した。広島大学大学院 先進理工系科学研究科 教授の栗田雄一氏の研究室との共同プロジェクトによる成果だ。
Grasshopperは、Robert McNeel&Associatesが開発した3D曲面モデラー「Rhinoceros」の機能の一部で、視覚的にデジタルモデルを生成するアルゴリズムを作成し、コンピュータによってデザインを表現できる。同社と栗田研究室は、2020年に「Grasshopperにおける高付加価値・触感デジタルデザイン」を公開している。
今回の研究は、高度な試作モデルを作成することなく、数値的に評価することを目的に実施。同研究室で作成したソフトウェアで読み込める、ハイトマップ画像を正確な3Dモデルから自動生成するアルゴリズムを新たに作成した。
作成したアルゴリズムにより、以前の表面処理生成アルゴリズムからハイトマップ画像を速やかに生成し、触感の評価を予測できるようになった。これまでの手法は評価に最短で1週間以上必要だったが、リアルタイムかつ必要な数だけ、デジタルデータの作成とハイトマップ画像の生成が可能で、評価できる。
今回作成したアルゴリズムで生成される、3Dの表面処理を施した3Dデータは、そのまま切削加工して実物を作成することが可能だ。また、栗田研究室の「デジタルオブジェクトの表面処理を予測・数値化できる触感デジタルデザイン支援ツール」を用いて、粗さ、硬さ、触り心地などを5つの指標で数値化できる。実物を作成する前に、触感の評価値を基に目標の触感まで改良を重ねることで、製作コストの削減につなげられる。
触感サンプルは、アプリクラフトの公開ページから15種類のGrasshopperファイル(.gh)をダウンロードできる。
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