広島大学とアプリクラフトは、触感デジタルデザインのための「触感デジタルモデル作成アルゴリズム」を作成した。アルゴリズムを搭載した「触感デジタルデザイン支援ツール」で、触感を可視化する。
広島大学とアプリクラフトは2020年4月7日、高付加価値な触感デジタルデザインのための「触感デジタルモデル作成アルゴリズム」を作成したと発表した。同年3月に、アルゴリズムを搭載した「触感デジタルデザイン支援ツール」をWebサイトで公開している。同大学大学院先進理工系科学研究科 教授の栗田雄一氏らの研究チームの成果だ。
触感デジタルデザイン支援ツールは、3次元曲面モデラー「Rhinoceros」の機能の1つ「Grasshopper」を基にしており、10種類の3DデジタルモデルのGrasshopper定義ファイルを作成し、公開している。各定義ファイルのパラメーターを変更することで、理論的にはほぼ無限の触感サンプルを生成できる。
Grasshopper定義ファイルは「01-Minamo(水面)」「08-Uroko(鱗)」など、生物的、有機的なデザインを意識したテーマが設定され、パラメーターを変更することで、各テーマのエッセンスを維持しながら細部が異なる触感サンプルを生成できる。また、生成された3Dモデル表面の触感を想像しやすくするために、栗田氏が研究する「触感評価、可視化技術」を活用した表面高さや傾斜角度の強度をカラー表示する機能も備える。
生成されるデジタルモデルのデータフォーマットはRhinocerosの「.3dm」で、中間フォーマット「IGES」「STEP」などにも変換できる。さらに「STL」「3DS」などのポリゴンデータに変換することで、3Dプリンタでの出力が可能になる。
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