オートデスクは、同社の3D CAD/CAM/CAE統合ツール「Fusion 360」のジェネレーティブデザインを適用した、ビンテージワーゲンバスについて発表した。バスの部品に、軽量かつ高い強度が求められる電気自動車(EV)の技術が取り入れられている。
オートデスクは2019年8月6日、同社のジェネレーティブデザインが、フォルクスワーゲングループが公開した1962年モデルのビンテージワーゲンバスに活用されていることを発表した。
1962年モデルのワーゲンバスは、ドイツ国外では最大となる、米国の自動車研究施設「エレクトロニクス研究所(ERL)」の20周年を記念して披露された。20周年を機に、ERLは名称を「イノベーション アンド エンジニアリング センター カリフォルニア(IECC)」と変更。今回、オートデスクはIECCとともに、軽量化が求められる電気自動車(EV)の技術を取り入れたワーゲンの部品を再設計した。
オートデスクの3D CAD/CAM/CAE統合ツール「Fusion 360」のジェネレーティブデザインを適用することで、パフォーマンスの高さはそのままに、質量と材料を最小限に抑えながらも強度を最大限に高めたパーツを作成。さらに、同ツールはワークフローを迅速化することから、より多くの情報を設計に反映できたという。
ワーゲンバスのホイールにジェネレーティブデザインを適用し、構造を見直したところ、標準のホイールと比較して全体で18%の軽量化に成功。車両の全重量が減った上、タイヤの回転抵抗も減少できた。また、設計から製造までの開発期間が1年半から数カ月に短縮した。
このワーゲンバスは、ホイール以外に、ステアリングやリアベンチシートの支持構造、外付けサイドミラーの設計にもジェネレーティブデザインを活用している。
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