外力の振動数が一様に変化する場合の表現方法について考える。“外力の振動数が一様に変化する”とは、「角加速度が一定値である」ということなので、位相をΦとすると、角加速度は、
と表現できる。ここに+のとき「昇速」、−のとき「減速」となり、εは昇降速の速さを表現する正の定数である。上式から、外力の角振動数および位相は、
となる。ここに、ωは初期状態の角振動数、αは位相角である。上記の知見を基に、脱水時回転槽の回転数変化を表現すると図6となる。すなわち、静止状態から、角加速度ε1、角速度ε1tで昇速、所定の回転数ω0で脱水、その後、角加速度−ε2、角速度ω0−ε2(t−t2)で減速する。ここで、時刻0からt1までが昇速、t1からt2までが一定回転、t2からt3までが減速区間である。各区間の外力は図6下部に示すように表現される。
ゴムは、防振材料として使用されることが多い。これは良好な減衰特性を有するためであるが、一方で通常の金属材料とは異なり、モデリングが容易ではなく、さまざまな試みが行われている。すなわち、ゴムはいわゆる粘弾性体で、材料自体が剛性と減衰特性を有する。そこで、一般には図7に示すように複素数剛性で表現される。ここで、kが剛性に関するもので、ηが損失係数と呼ばれ、減衰に関するものである。また、粘弾性ばねの場合には、剛性も損失係数も周波数ωの関数となるため、図8のように定義される。
粘弾性ばねのモデリング方法として、ばね要素と減衰要素を組み合わせた図9の粘弾性ばねモデルが使用される。このように、2種類のばね要素、減衰要素、振動数を用いて、剛性と損失係数を表現できる。図9の剛性と損失係数を横軸に、振動数をとって示すと図10のようになる。実験などにより、ゴム材料の剛性、損失係数を把握し、これを表現するように2種類のばね要素と減衰要素の値を定義することになる。
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