IoT機器とクラウド間のセキュア接続を可能にするレファレンス実装を発表製造業IoT

STMicroelectronicsとAmazon Web Servicesは、IoT機器とAWSクラウド間を完全かつ安全に接続するため、「Arm TF-M」ベースの新しいレファレンス実装を開発した。IoT機器開発キットとして提供する。

» 2022年06月09日 15時30分 公開
[MONOist]

 STMicroelectronicsとAmazon Web Services(AWS)は2022年5月11日、IoT(モノのインターネット)機器とAWSクラウド間を完全かつ安全に接続するため、「Arm TF-M(Trusted-Firmware)」ベースの新しいレファレンス実装を開発したと発表した。IoT機器開発キット「B-U585I-IOT02A」として提供する。

 同レファレンス実装は、組み込みシステム用のArm TF-Mファームウェアに、オープンソースの「FreeRTOS」、32ビットマイクロコントローラー「STM32U5」、EAL5+認証取得済みのセキュアエレメント「STSAFE-A110」を組み合わせている。セキュア機能を含むArm TF-Mにより、IoT機器上にTEE(Trusted Execution Environment)の基盤を構築できる。

 FreeRTOSは、組み込みシステムに適したカーネルと、IoT機器とクラウドを安全に接続するためのソフトウェアで構成する。2年間のAWSサポートが付帯するため、IoT機器の導入と保守を容易にする。

 STM32U5は、「Cortex-M33」プロセッサ、Arm TrustZone、Arm v8-Mのメインラインセキュリティ拡張、フラッシュメモリ、ハードウェア暗号化アクセラレーターなどを搭載。動作時の消費電力を低減するための機能も複数備える。

 B-U585I-IOT02Aには、USB、Wi-Fi、Bluetooth Low Energyといった通信モジュール、温湿度センサーやジェスチャー検出センサーなどを搭載する。フィットネス、計測、産業、医療向けのさまざまなウェアラブルまたはセンサーアプリケーションの試作に貢献する。

 さらに同年7〜9月には、「STM32Cube」ソフトウェアパッケージと開発ツールをベースにしたレファレンス実装をリリースする予定だ。

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