ホンダは「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」(2022年5月25〜27日、パシフィコ横浜)において、二輪車の姿勢制御技術「ライディングアシスト」を展示した。低速時などの転倒の不安を軽減し、安心してライディングを楽しめることを目指した。姿勢の安定だけでなく、車体を起こす/倒すといった動作が意のままに行えるようにする。
ホンダは「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」(2022年5月25〜27日、パシフィコ横浜)において、二輪車の姿勢制御技術「ライディングアシスト」を展示した。低速時などの転倒の不安を軽減し、安心してライディングを楽しめることを目指した。姿勢の安定だけでなく、車体を起こす/倒すといった動作が意のままに行えるようにする。
同社は2017年のCESでライディングアシストの実験車両を公開。フロントフォークの角度(キャスター角)を可変にした前輪と、モーターによる操舵のアシストで、二輪車が不安定になる低速域や停止時のバランスを保つのが特徴だった。
当初はアシストに必要な機構をフロント側に集約することで既存モデルにも技術を展開しやすくすることを狙ったが、今回発表したライディングアシストでは姿勢制御の機能を前輪ではなく後輪に搭載した。後輪にアシスト機構を搭載することで、前輪でのアシストと比べてライダーは操舵を自然に行えるという。
今回のライディングアシストは車両の傾きやライダーの重心移動に合わせて車体と後輪を揺動させることで重心をコントロールしてバランスを保つ。「姿勢を安定させるところも含めてバイクに乗る楽しさだという意見はもちろんあるが、転倒したくないという人もいる。ただ、ライダーは運転中に後輪の動きにそれほど敏感ではないので、アシストは気にならないのではないか」(ホンダの説明員)とし、一定の受容性を見込む。
ライディングアシストにより、ごく低速でも安定して直進/後進でき、8の字走行でも取り回しやすくなる。また、人が乗っていない状態でも自立することが可能なため、信号待ちなどで足をつかずに停止できる他、降りるときなどの立ちゴケを防ぐことができる。バランスをとることに必要以上の注意を払うことなく、操舵に集中できる。
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