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» 2022年05月20日 08時30分 公開

円安、資材コスト、ロシア、エネルギー問題、脱炭素……自工会はどう見ているのか電動化(1/2 ページ)

日本自動車工業会(自工会)は2022年5月19日、会見を開き、新たな役員体制を発表した。スズキ 代表取締役社長の鈴木俊宏氏と、日産自動車 取締役代表執行役社長兼最高経営責任者の内田誠氏が自工会 副会長に就任した。

[齊藤由希,MONOist]

 日本自動車工業会(自工会)は2022年5月19日、会見を開き、新たな役員体制を発表した。スズキ 代表取締役社長の鈴木俊宏氏と、日産自動車 取締役代表執行役社長兼最高経営責任者の内田誠氏が自工会 副会長に就任した。

 新体制では、2023年に開催する東京モーターショーなど自動車業界のファンづくりの他、カーボンニュートラル、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)、税制改正、そして、産業としての成長や雇用への貢献、分配などに引き続き取り組む。2023年の東京モーターショーは「ジャパンオールインダストリーショー」をテーマに、自動車以外の全ての産業やスタートアップも含めて連携することで、多くの人が集まる場にしていきたい考えだ。自工会 会長の豊田章男氏(トヨタ自動車 代表取締役社長)は「全く新しいショーを目指して変革していく」とコメントした。

カーボンニュートラルに対する商用車や乗用車、二輪車のスタンス

 豊田氏はカーボンニュートラルについて「敵は炭素であって内燃機関ではないということ、エネルギーの『つくる』『運ぶ』『使う』の全ての段階でCO2削減が必要だということ、規制で技術の選択肢を狭めないことなどを言い続け、カーボンニュートラルを正しく理解しようと呼びかけてきた。その結果、仲間も増えてきた。カーボンニュートラルはCASEの領域を磨くチャンスである。日本が電動車をフルラインアップで持っているのは強みであり、カーボンニュートラルに貢献できることについても理解が深まったと感じている。ただ、各社それぞれに得意分野があり、それぞれのユーザーがいる。ユーザーや仕入先を取り残さないためにも、選択肢を狭めないことが重要だ」と述べた。

 自工会 副会長の片山正則氏(いすゞ自動車 代表取締役社長)は、「1年間、大型車のカーボンニュートラルを議論してきたが、トラックにはさまざまなサイズがあり、用途も幅広い。小型トラックはEV(電気自動車)、大型トラックがFCV(燃料電池車)という考えもあるが、使われる場所を想定するとさまざまな可能性を考える必要がある。物流事業者などの“仕事の道具”としても、電動化やカーボンニュートラルも考えていく。アライアンスを通じた社会実装の準備、電動化を受け入れてもらうための社会づくりに注力している」と語った。

 同じく自工会 副会長の三部敏宏氏(ホンダ 取締役代表執行役社長)は、「カーボンニュートラルは進化の過程にあり、さまざまな可能性を試していく段階だ。CO2排出量を正しく測って見える化することと、排出を減らしていくことの両方が必要になる。ライフサイクル全体でのCO2排出量の算定については、日本が国際ガイドラインの策定をリードできるよう取り組んでいる。国際自動車工業連合会(OICA)としても、多様な選択肢の重要性を発信している」と国際連携についてコメントした。

 ヤマハ発動機 代表取締役社長 社長執行役員の日高祥博氏は二輪車とカーボンニュートラルについて、「切磋琢磨だけではカーボンニュートラルはやっていけない。協調が必要だ。現在、二輪車メーカー4社でさまざまな取り組みを進めている。例えば原付1種、原付2種に関しては、利便性と資源循環、コスト低減と電動化を全て実現するには、共通仕様のバッテリーが最適だ。JASO規格のテクニカルペーパーを発行したことに加えて、二輪車メーカー4社が参加する新会社ガチャコの設立、欧州の二輪車メーカーとのコンソーシアムなども進んでいる。国際標準化に向けて、JASO規格を紹介しながら二輪車のバッテリー共通化に貢献していきたい。水素エンジンやバイオエタノール、合成燃料などの可能性も探っていく。いずれも単独で取り組むのは難しい。協調領域を明確にしながら進めていく」と語った。

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