連載
» 2022年05月14日 08時00分 公開

体質改善を進める自動車メーカーの前に、資材価格のかつてない高騰が立ちはだかる自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

土曜日ですね。1週間おつかれさまでした。昨日(5月13日)から、高齢ドライバー向けの実車試験の運用がスタートしました。運転免許を更新する75歳以上の人で、直近の3年間に信号無視や速度超過など一定の違反があった人に、実車試験が義務付けられます。免許の有効期間が終わるまでの6カ月の間に、実車試験を受けなければなりません。

[齊藤由希,MONOist]

 土曜日ですね。1週間おつかれさまでした。昨日(5月13日)から、高齢ドライバー向けの実車試験の運用がスタートしました。運転免許を更新する75歳以上の人で、直近の3年間に信号無視や速度超過など一定の違反があった人に、実車試験が義務付けられます。免許の有効期間が終わるまでの6カ月の間に、実車試験を受けなければなりません。

 この直前に、運転免許を返納した人々のことがニュースになりました。1人は、漫才師の西川きよしさんです。NHKによれば西川きよしさんは今年(2022年)2月に運転免許を返納し、先日、運転経歴証明書の交付を受けました。視力や聴力に衰えを感じており、「いい思い出がたくさん詰まっているときに返納しようと決断した」とコメントしているそうです。

 また、朝日新聞は国家公安委員長の二之湯智さんが運転免許を返納すると報じました。二之湯さんは2019年4月に池袋で発生した高齢ドライバーが関係する暴走事故をきっかけに運転をやめており、自家用車も手放していたとのことです。

 運転免許の返納は、難しい話題です。自分自身の衰えを自覚し、無理をしないと自制できるのは、冷静で客観的な判断だと思います。そういう判断を下すのは簡単ではありません。しかし、運転免許を返納した後も公共交通機関やタクシーで困らない場所に住んでいれば出掛けるのに支障はないかもしれませんが、公共交通が不便な地域では、運転免許の返納は行動の制約に直結します。

 自分でできることは自分でやるという意味では、人の手を借りずに出掛けられるのは健康的でもあります。高齢者が運転し続けるにはどうしたらいいのかという観点でのクルマづくりがあってもいいのではないでしょうか。「あの人、もう高齢なのに運転していてイヤだな……」と思われるような社会になっては息苦しいですから。

2021年度の決算が出そろいました

 さて、今週は自動車メーカーの2021年度の決算発表ラッシュでした。販売台数が前年度の2020年度よりも回復して売上高が伸びた会社、販売が前期を下回っても増収を確保できた会社など、状況はさまざまです。

 前年度である2020年度はコロナ禍の真っただ中にありました。感染者数や病院の受け入れ態勢などを横目に見ながら、製造業に限らず社会全体が手探りで様子を見ながら活動していました。生産台数がゼロという時期から徐々に生産が回復し、地域ごとに一進一退を繰り返しながら挽回。月単位での過去最高の生産台数を更新するまでになりました。

 2021年度は、半導体不足、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株の感染拡大、物流の混乱が続く1年間となりました。毎月、各社の生産動向を振り返る記事を掲載していますが、前年同月の実績を上回る時期が続いたかと思えば、生産台数を伸ばせず微増にとどまったり、前年割れとなったりする時期もありました。苦しい1年間ではありましたが、各社とも原価改善や損益分岐台数の引き下げなど体質改善に注力しました。

 2022年度の通期の業績見通しをみると、各社とも販売台数の増加と増収を見込んでいます。中国・上海でのロックダウンが続いており、半導体不足も緩和してはいませんが、部品の在庫を多く持ったり、手に入る半導体を使えるよう仕様を見直したり、生産を途切れさせない工夫を重ねて、少ない生産調整に抑えられるよう取り組みます。

自動車メーカー7社の2021年度決算と2022年度の見通し
2021年度 2022年度
売上高 営業利益 当期純利益 販売台数 売上高 営業利益 当期純利益 販売台数
トヨタ 313,795 29,956 28,501 823.0 330,000 24,000 22,600 885.0
15.3 36.3 26.9 7.6 5.2 -19.9 -20.7 7.5
ホンダ 145,526 8,712 7,070 407.4 162,500 8,100 7,100 420.0
10.5 32.0 7.6 -10.4 11.7 -7.0 0.4 3.1
日産 84,245 2,473 2,155 387.6 100,000 2,500 1,500 400.0
7.1 - - -4.3 18.7 1.1 -30.4 3.2
スズキ 35,683 1,914 1,603 270.7 39,000 1,950 1,350 290.8
12.3 -1.5 9.5 5.3 9.3 1.8 -15.8 7.4
マツダ 31,203 1,042 815 125.1 38,000 1,200 800 134.9
8.3 - - -2.8 21.8 15.1 -1.9 7.8
スバル 27,445 904 700 73.4 35,000 2,000 1,400 94.0
-3.0 -11.7 -8.5 -14.7 27.5 121.1 100.0 28.1
三菱自 20,389 873 740 93.7 22,900 900 750 93.8
40.1 - - 16.9 12.3 3.1 1.3 0.1
金額の単位は億円。台数の単位は万台。下段は前年度比の増減、単位は%。ホンダとスズキの販売台数は四輪車。

 2022年度は各社とも増収を見込んでいますが、営業利益の予想は厳しいものとなっています。販売台数が増加し、円安の追い風が吹いていることを考えれば営業利益は好調になるはずですが、資材高騰が利益を押し下げます。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.