グラフコア(Graphcore)は、3次元半導体技術による3D WoWプロセッサ「Bow IPU」を発表した。次世代AIコンピュータシステム「Bow Pod」の心臓部として、従来のプロセッサより最大40%高い性能と、16%高い電力効率を提供する。
グラフコア(Graphcore)は2022年3月3日(現地時間)、TSMCと開発した3次元半導体技術による3D WoW(Wafer-on-Wafer)プロセッサ「Bow IPU」を発表した。同社の次世代AI(人工知能)コンピュータシステム「Bow Pod」の心臓部として、従来のプロセッサより最大40%高い性能と、16%高い電力効率を提供する。価格は従来製品から変えず、既存ソフトウェアもそのまま使える。
BOW IPUの3Dダイは、AIプロセッサダイと電源供給ダイをそれぞれ搭載した2枚のウエハーを貼り合わせて形成する。1472個の独立したIPUコアタイルと900MBのプロセッサ内メモリを備え、8800以上のスレッドを実行できる。電源供給ダイに追加したディープトレンチキャパシター(DTC)のおかげで、効率的に電力を供給できる。また、バックサイドスルーシリコンビア(BTSV)といった独自の技術を採用している。
このBOW IPUを4基搭載した「Bow-2000 IPUマシン」は、1.4PFLOPS(ペタフロップス)のAI処理機能を発揮する。既存のIPU-PODシステムと完全な下位互換性を持ち、高速で低遅延のIPUファブリック、柔軟な1Uフォームファクタといった特徴も継承する。
Bow Podシステムとして、4台のBow-2000と1台のホストサーバで構成する「Bow Pod16」をはじめ、「Bow Pod32」「Bow Pod64」「Bow Pod256」「Bow Pod1024」をラインアップ。自然言語処理用のGPTやBERT、コンピュータビジョン用のEfficientNetやResNet、グラフニューラルネットワークに適する。
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