新エネルギー・産業技術総合開発機構らは、AIアクセラレーター向け評価プラットフォームの実証として「AI-One」を設計し、試作を開始した。今後、AI-Oneの評価をもとに、短期間、低コストでAIチップを設計、評価できる手法を確立していく。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2021年5月10日、産業技術総合研究所、東京大学と共同で、6種類のAI(人工知能)アクセラレーターを集積した評価チップ「AI-One」の設計を完了し、試作を開始したと発表した。同年9月頃に、実環境でAI-Oneを使用した評価を進める予定だ。
NEDOらはAIチップの開発を加速するため、アルゴリズムを実行するエンジン部分のAIアクセラレーター向け評価プラットフォームの構築を進めている。今回、同評価プラットフォームの実証としてAI-Oneを開発した。28nmCMOSプロセスを採用した設計で、試作は外部の製造会社が担当する。評価結果をもとに、さらに使いやすい評価プラットフォームの確立を目指す。
評価プラットフォームは、デュアルコアCPU、チップ内ネットワーク、テスト回路、LPDDRやPCIeのほか、チップのデバッグ機能やプログラムを読み込むインタフェースを標準システム回路として装備する。
同評価プラットフォームを用いることで、AIアクセラレーターをチップに実装した時の動作周波数、消費電力、性能が設計段階で見積もり可能になり、従来の45%以下の時間でAIチップを開発できる。設計情報の秘匿性や試作効率も高いことから、中小企業やベンチャー企業でも、短期間かつ低コストで独自のエッジ向けAIチップの開発、評価ができるようになる。
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