DXが加速する中で企業ネットワークの境界はあいまいさを増しており、サイバー攻撃者はあらゆる攻撃経路を駆使して脅威の侵入を試みている。企業は、ローカル5Gを活用することで、モバイル通信技術であるCT(Communication Technology)およびIT(Information Technology)、IoT(Internet of Things)が融合した環境へのサイバー攻撃に備える必要がある。今後、多様な環境を跨いだ複雑な攻撃や侵入を前提とした対策が推奨される。
具体的には、複数の環境が交差する多様なシステム全体を監視し、セキュリティの盲点を作らない対策が求められる。そのためには、全てのネットワークや、ネットワークに接続する機器の状態を常にモニタリングし、変化をいち早く察知する仕組みが必要だ。セキュリティインシデントが発生した際に迅速に脅威を検知する仕組みに加え、早期に対処できる体制や組織作りも忘れてはならない。
本連載では、ローカル5Gについて、サイバーセキュリティの観点から想定されるセキュリティリスクや安全に運用していくための対策ポイントを解説した。
近年、ローカル5Gは実証実験や先行的な導入が進んでおり、IoT機器を活用したDXを推進するモバイル通信技術として注目されている。しかし、安定したビジネスを継続するためには、ローカル5Gにおけるサイバーセキュリティのリスクを認識し、必要な対策を講じる必要がある。本連載内容が、ローカル5Gの導入を検討しているユーザー組織やパートナーとなるシステムインテグレーターにとって、少しでも役に立つものであれば幸いである。
トレンドマイクロは、ITやOT(制御技術)、IoT領域のセキュリティソリューションに加え、5Gおよびローカル5G向けのセキュリティソリューションや脅威情報、リサーチペーパーなどを提供している。これらをソリューション検討や情報収集の参考にしていただき、安心・安全なローカル5Gの活用を実現していただきたい。
(連載完)
古賀 恒昭(こが つねあき)/トレンドマイクロ株式会社 ビジネスマーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャー
国内電機メーカーにてSI、エンジニア、商品企画とB2B向けビジネスや製品開発に従事した後、トレンドマイクロへ入社。現在は、IoT/IIoTセキュリティ、特に5G/ローカル5Gおよびコネクテッドカー向けセキュリティソリューション全般のマーケティングを担当。
トレンドマイクロ 企業向け5Gセキュリティ
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