シリコーンゲル防振材設計にCAE支援ツールを採用し、業務を効率化:CAEニュース
Hexagonは、タイカがシリコーンゲル防振材設計を効率化するため、CAE支援ツール「ODYSSEE」を採用したと発表した。最適な材料の種類や寸法を短時間で予測することで防振設計の属人化を解消し、業務全体を効率化、最適化できる。
HexagonのManufacturing Intelligence事業部は2022年3月14日、タイカがシリコーンゲル防振材設計の効率化を図るため、CAE支援ツール「ODYSSEE」を採用したと発表した。
シリコーンゲル防振材の圧縮試験の様子 出所:Hexagon
タイカの従来の防振材設計プロセスでは、経験や勘を頼りに設計を検討することもあり、防振設計技術が属人化しやすい原因となっていた。また、寸法や材料を少しずつ変更して目標値に近づけるパラメータースタディに、多くの時間と労力がかかるといった課題もあった。
それらの課題を解決するため、低次元化モデル(ROM:Reduced Order Model)を効率的に作成し、目標値に対して最適化できるODYSSEEのML(機械学習)機能を採用。防振材に使用する材料の種類、形状、寸法を変更した際のROMの予測精度を検討した。
ROMで圧縮特性を予測 出所:Hexagon
ODYSSEEは、主成分を分析してROMを構築するため、深層学習などのニューラルネットワーク系の機械学習よりも少ない学習データ量で、高精度な最適値を予測できる。ROMの作成や最適化を担うアルゴリズムを1つのプラットフォーム「Lunar」に実装しており、パラメータースタディや分析を短時間かつ効率的に実施できる。
タイカが検討した結果、解析用の材料定数や形状因子など、複数のデータを学習データセットに含めると予測精度が向上することが分かった。また、ROMを一度構築すれば、防振材設計パラメーターの予測や、目標の圧縮特性に近くなるような解析用材料パラメーターの予測が可能なことを確認した。
最適な材料の種類や寸法を短時間で予測することにより、防振設計の負担を軽減し、業務全体を効率化、最適化できる。タイカの開発部門は、ODYSSEE導入の効果について、設計効率の向上に加え、設計開発者のスキルを問わずデジタルデータを定量的に素早く利用できる点を挙げている。
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