デジタルツインを実現するCAEの真価

CAEを強化する画像ベースの機械学習ソリューション「ODYSSEE A-Eye」CAEニュース

エムエスシーソフトウェアは、複雑な準備やシミュレーションの知識を必要とせず多様な業種のソリューションに対応した、CAEを強化する新しいAIツール「ODYSSEE A-Eye」を発表した。

» 2021年10月29日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

 Hexagon Manufacturing Intelligenceのグループ会社であるエムエスシーソフトウェアは2021年10月26日、複雑な準備やシミュレーションの知識を必要とせず多様な業種のソリューションに対応した、CAEを強化する新しいAI(人工知能)ツール「ODYSSEE A-Eye」を発表した。

 ODYSSEE A-Eyeは、高度なパターン認識を画像や映像、単純なデータセットに適用して、エンジニアリングシミュレーションの機械学習アプリケーションで解析できるようにする、画像ベースの機械学習ソリューションである。既存のCAEシミュレーションデータを画像とマッチさせて、提起された問題に基づく同様の予測を提供する独自機能により、設計の最適化、コストへの影響、開発期間といった設計に関する問題解決に役立てることができる。

 一般的に、機械学習プロセスを設計に適用するには、有効で信頼性の高い結果が求められることから、専門知識と大量のトレーニングデータが必要とされる。これに対して、ODYSSEE A-Eyeは複雑なデータモデルを必要とせず、汎用(はんよう)的なCAD形状データ、画像データ、スカラーデータをインプットして利用でき、応答データをアウトプットとして使用し、シミュレーションデータと関連付けることで、設計者、生産技術者、オペレーター、その他の関係者に対してデジタルツインへのアクセスを可能にし、設計上の意思決定やリアルタイムかつインタラクティブなデザインスペースの探索につなげられるという。

 機械学習の知識がないエンジニアでもODYSSEE A-Eyeの活用により、例えば、タイヤのトレッドパターンの最適設計からコンピュータチップの不良解析まで、特定課題に基づく堅牢なAIアプリケーションを開発できる。ODYSSEE A-Eyeは、Hexagonグループの全てのCAEソリューションと統合され、顧客の既存プロセスとのシームレスな連携を可能にするとしている。

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