パナソニックSJが都市ガス製造拠点に「ローカル5Gシステム」を納入:製造IT導入事例
パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、大阪ガスなどの都市ガス製造拠点における「ローカル5Gシステム」を受注した。同システムの導入により、マルチアクセス機能による不感エリア対策が施されたネットワークを構築できる。
パナソニック システムソリューションズ ジャパン(パナソニックSJ)は2022年3月15日、大阪ガスなどの都市ガス製造拠点で利用する「ローカル5Gシステム」を受注したと発表した。同月に5Gコア設備を納入し、その後、順次ネットワーク機器や基地局などを納入する予定だ。
大阪ガス姫路製造所 出所:パナソニック システムソリューションズ ジャパン
今回受注したのは、大阪ガスおよびDaigasガスアンドパワーソリューションの都市ガス製造拠点となる、姫路製造所のローカル5Gシステムだ。ローカル5Gを軸とし、Wi-Fiを含む現場に適したマルチネットワーク構築についても採用された。
同システムを導入することで、LTE方式のSIM認証による秘匿性の高いセキュリティ運用や、マルチアクセス機能による不感エリア対策が施されたネットワークを構築できる。また、IoT(モノのインターネット)デバイスと相性の良いWi-Fiとの連携により、現場業務の高度化を目指す。
大阪ガス泉北製造所で導入済みの「自営等BWAシステム」と統合管理することで、拠点間連携を含めた一体運営を進める。さらに、ネットワークの一元管理により、ネットワーク運用、管理コストの削減を図る。
マルチアクセス機能で統合管理を行う一体運営 出所:パナソニック システムソリューションズ ジャパン
さらに、ネットワークの導入、構築、運用をトータルでサポートするほか、デジタル点検や遠隔指導、遠隔立会い、位置情報収集による現場社員の安全管理など、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)も支援する。
⇒その他の「製造IT導入事例」の記事はこちら
- ローカル5Gが新たなバズワードに、製造業はその可能性を生かせるのか
国内で商用サービスが始まる5G。この5G以上に注目を集めているのが、通信キャリアでない事業主体でも5Gをプライベートネットワークとして利用できる「ローカル5G」だ。このローカル5Gの新市場として製造業の工場が大きく成長することが期待されている。
- ソニーのローカル5G事業参入は民生向けから、B2B向けではエンタメ革新も視野
ソニーグループの100%子会社であるソニーワイヤレスコミュニケーションズが国内向けのローカル5G事業に参入すると発表。2022年春から、一般ユーザーを対象にローカル5Gを利用した集合住宅向けインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」の提供を始める。月額利用料金は「NURO光」と同等の5000円前後を想定している。
- サブ6解禁でさらに期待高まるローカル5G、コストに見合った価値づくりを急げ
民間での商用サービスが始まった5Gだが、企業や自治体などが5Gを自営網として利用できる「ローカル5G」にも注目が集まっている。2020年末に6GHz以下の周波数帯であるサブ6やSA構成、屋外での利用が利用可能になる法整備が行われ、ローカル5Gへの期待はさらに高まっているが、その導入コストに見合った価値づくりはまだこれからだ。
- スマート工場で期待されるローカル5Gの安全な運用には何が必要なのか
製造業での活用が期待されているローカル5Gを安全に運用していくために、サイバーセキュリティの観点で押さえておくべきポイントを前編と後編の2回に分けて解説する本連載。前編では、ローカル5Gの特徴や製造業のユースケース、モバイル通信におけるセキュリティリスクについて説明する。
- NECのローカル5G事業は「総合力」が強み、自社工場への導入も推進
NECがローカル5G事業に本格参入すること発表。企業や自治体向けに、ネットワークインフラからアプリケーションまでをカバーするトータルソリューションの提案を始める。自社施設でローカル5Gを利用するための免許申請を進め、玉川事業所内に開設する「ローカル5Gラボ」で利用する他、甲府とタイの工場などで2020年度以降に導入する計画だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.