Armは、ADAS向けの車載用ISP「Mali-C78AE」を発表した。最大4台のリアルタイムカメラまたは16台の仮想カメラによるデータを処理可能で、「ISO 26262 ASIL B」の機能安全要件に対応する。
Armは2022年2月21日、ADAS(先進運転支援システム)向けの車載用ISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)「Mali-C78AE」を発表した。同社の安全対応IP「AE(Automotive Enhanced)」ラインの新製品となる。
Mali-C78AEは、最大4台のリアルタイムカメラまたは16台の仮想カメラによるデータを処理できる。診断ソフトウェア機能とハードウェアの安全機構を採用しており、「ISO 26262 ASIL B」の機能安全要件に対応できる。
障害検知回路を380以上採用しており、連続組み込みセルフテストにも対応。接続したカメラのセンサーやハードウェアの障害を検知し、フレームデータの不正確な処理を回避する。
高度なノイズリダクション技術とダイナミックレンジ管理を採用し、フレーム内の明るい領域や暗い領域を調整できる。また、マシンビジョンに最適化したセンサー出力の色変換やダウンスケールにより、人の視覚に適した画像を生成する。これによって従来は複数必要だったADAS機能の実装コストを低減し、サラウンドビューなどのヒューマンビジョン向け画像の生成にも対応した。
同社のCPU「Cortex-A78AE」やGPU「Mali-G78AE」と組み合わせて使用することで、ADASに適したビジョンシステムを構築できる。
なお、Intel子会社のMobileye(モービルアイ)では、自社の次世代「EyeQ」テクノロジー向けに、Mali-C78AEおよびMali-G78AEのライセンスを取得している。
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