追従型ロボティックモビリティ「PiiMo」も展示する。追従走行や障害物との衝突回避といった機能を備えており、これまでは空港を中心に導入されていたが、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、美術館や博物館、観光地などでもニーズも拡大しつつある」という。今後、ユーザーの体験価値最大化に向けて、従来のモビリティサービスシステムに加えて、AR(拡張現実)をはじめとするxRコンテンツを制作するプラットフォームと、商業施設の管理システムとを連携させる仕組みづくりも進めていくという。
「住宅/オフィス空間」に関しては、共在感覚を得られる家庭向けロボット「cocoropa」を初展示する。ペアで使用することを想定しており、ある地点に設置したロボットに触れると片腕が上がり、それと連動して、遠隔地にあるもう1台の機体の腕も上がる仕組みになっている。このため、2台がそれぞれユーザーに触れられていると、どちらの機体も両腕が上がった状態になる。離れた場所で別々に暮らす家族などが使用すると「『緩いつながり』を感じられる」(安藤氏)効果がある。筑波大学との共同研究において、実際にこうした効果が得られることが確認されているという。
この他、ロボティクス分野におけるオープンイノベーションを加速させるための、ロボティクス技術の要素技術や開発支援技術を集めたプラットフォームも、その内容を一部展示する。パナソニックが蓄積してきたロボティクス関連技術を、他企業にも使用しやすい形で提供していく。
その1つが、AGV(自動搬送車)やAMR(自律移動型ロボット)などに導入可能なサーボモータとアンプ技術である。パナソニックが低消費電力のAGVを開発する過程で作成した、薄く軽いネットワーク接続対応型のアンプを汎用モジュール化している。この他、屋内外で稼働可能な自律移動ロボット開発用のソフトウェアパッケージも提供する。Webベースでアクセスできるようにする計画で、2022年の販売開始を予定する。
ロボットの安全性を確保するための技術、サービスとして、建機や農機、AGVなどを安全に停止させる「機能安全対応 無線非常停止装置」と、巻き込まれなどの裂傷評価を行うための「指ダミー」といったツールも展示する。また、ロボットのマニピュレーションに関して、コンビニエンスストエアの陳列や廃棄業務を自動化するモバイルマニピュレーターや、いちごや布、紙などもつまめるロボットハンドなども展示する。
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