パナソニックの独自技術をWHILLに詰め込んだ追従型モビリティ「PiiMo」モビリティサービス(1/2 ページ)

パナソニック プロダクションエンジニアリング(PPE)は、オンラインで新製品発表会を開催し、追従型ロボティックモビリティ「PiiMo(ピーモ)」を2020年11月から販売開始すると発表した。

» 2020年10月29日 07時30分 公開
[八木沢篤MONOist]
追従型ロボティックモビリティ「PiiMo(ピーモ)」 追従型ロボティックモビリティ「PiiMo(ピーモ)」 ※出典:パナソニック [クリックで拡大]

 パナソニック プロダクションエンジニアリング(以下、PPE)は2020年10月27日、オンラインで新製品発表会を開催し、追従型ロボティックモビリティ「PiiMo(ピーモ)」を同年11月から販売開始すると発表した。

 PiiMoは、駅や空港、商業施設、イベント会場などにおける安全で快適な移動のサポートを目的に開発されたモビリティで、WHILLのパーソナルモビリティ「WHILL Model C」(以下、Model C)をベースに、PPE独自の追従走行技術、安全停止技術、車両連携技術などを搭載する。

 2019年度には成田空港国際線ターミナルで全日本空輸(ANA)と、2020年度には高輪ゲートウェイ駅でJR東日本グループとそれぞれ長期実証に取り組み、製品化を進めてきた。

 PiiMoは、完全無人の自律走行を目的としておらず、スタッフが操作する先頭車両に、後続車両が追従し、グループで隊列移動するスタイルを採用する。これにより1人のスタッフが一度に複数の顧客に対して、サービス提供と移動支援を行うことができる。

「PiiMo」の概要について 「PiiMo」の概要について ※出典:パナソニック [クリックで拡大]

先行車両の軌跡をしっかりと捉え、安定した追従を実現する「PiiMo」

追従走行技術

パナソニック プロダクションエンジニアリング 新規事業センター ロボティックモビリティプロジェクト プロジェクトリーダー/パナソニック マニュファクチャリングイノベーション本部 ロボティクス推進室 統括の安藤健氏 パナソニック プロダクションエンジニアリング 新規事業センター ロボティックモビリティプロジェクト プロジェクトリーダー/パナソニック マニュファクチャリングイノベーション本部 ロボティクス推進室 統括の安藤健氏

 追従走行技術については、車両前面にある2つのレーザーレンジファインダーが、前方を走行する車両の背面下部にある追従用反射板を捉え、一定距離(約1.5m/最長3m程度まで可能)を保ちながら前方車両の軌跡を追従する。また、レーザーレンジファインダーは人や障害物の検出にも活用され、追従走行時の安全機能の役目も果たす。

 「従来の自律移動技術だと、隊列の後方になればなるほど経路にズレが生じるが、PPEの独自技術の場合、先行車両の軌跡をしっかりと捉え、安定して追従できる」(PPE 新規事業センター ロボティックモビリティプロジェクト プロジェクトリーダー/パナソニック マニュファクチャリングイノベーション本部 ロボティクス推進室 統括の安藤健氏)

追従走行の原理と特徴について 追従走行の原理と特徴について ※出典:パナソニック [クリックで拡大]

 先行車両の経路通りに後続車両をズレなく走行させるだけでなく、PPE独自の認識技術によって、壁際走行や人混み走行など、少量の回避を伴う際には、それぞれが自律的に判断して走行する(回避行動をとる)ことができるという。ちなみに、隊列走行時の推奨台数は5台程度だとし、現段階では屋内での利用に限られる。「技術的には5台以上でも隊列走行可能だが、前方(先頭車両)のスタッフが後方の顧客をケアできなくなるため、5台程度を想定している」(安藤氏)。

追従走行のデモンストレーションの様子 追従走行のデモンストレーションの様子 [クリックで拡大]
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